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AI(人工知能)

【AIを使う側に】生成AIの活用事例と今後の活用方法

2022年11月30日にChatGPTがリリースされてから、世の中はどう変わったでしょうか?GeminiやClaudeなどの生成AIも誕生し、生成AIの進歩は進んでおり、至るところで革命が起こっている一方で、生成AIをまだ使ったことがないという人も多くいるのが実際だと思います。

AIに仕事を奪われるという観点が着目されがちですが、その考え方はネガティブですし、何も生むことはなく、生産性に欠けるということは明白です。いかにAIを活用し、より仕事の質と効率を上げていくかを考えることが益々重要となっていくでしょう

この記事では、AIと積極的に関わる方が得策だということについての説明と、これまでの生成AIの活用事例、今後の活用の道に関する考察をご紹介します。

生成AIとは?

生成AIが今の形になるまでには、3つの大きな転機がありました。

ディープラーニングの登場

機械学習には、人間の脳神経回路を模倣したニューラルネットワークと呼ばれるものが用いられています。人間は目や耳などで情報を取り入れ、脳で処理します。コンピューターもニューラルネットワークを用い、同じように情報を処理します。

ディープラーニングは、多数の層からなるニューラルネットワークを用いて学習を行うもので、2006年に登場しました。例えば、たくさんの猫と犬の画像をコンピューターに見せます。コンピューターは最初は正しく区別できませんが、間違いを少しずつ修正していきます。何度も繰り返すことで、最終的に猫と犬を正確に見分けられるようになります

ディープラーニングは、画像認識、音声認識、自動運転など多様な分野で活用されています。

transformer(トランスフォーマー)

transformer(トランスフォーマ―)は2017年にGoogleが発表したAIモデルです。

トランスフォーマーは「注意機構(Attention Mechanism)」を使って、文章の中の重要な部分に注目します。単語に重みづけを行い、処理を行う対象を絞り込むことで処理速度が上がり、精度を向上させました。これにより、文章全体のコンテキスト(文脈)を理解することができます。

ChatGPT、Gemini、Claudeなど現在台頭している生成AIはすべてtransformerが用いられています。

ChatGPTのリリース

ChatGPTがリリースされたのが2022年11月30日。前述の通り、ChatGPTの性能が高い理由の1つはtransformerの導入なので、Googleが発明した技術によるところです。それに加えて大量データの活用、スーパーコンピューターの性能向上、ユーザーとの対話を通じたAIの学習によって実用的な生成AIがこの世に誕生しました。ユーザーが、Googleで調べるのではなくChatGPTで調べることになるケースが生じることが明白であったため、GoogleはChatGPTのリリース後、即座に社内に緊急事態宣言を行いました。そして部門編成も変えて対抗できる生成AIの開発に力を入れてきています。2024年6月時点ですでに、Googleの生成AIの中の最高クラス「Gemini 1.5 Pro」はChatGPTの最高クラス「CPT-4o」を超えている側面もあるというのが私の個人的見解です。

生成AIの活用事例

それでは、現時点での生成AIの活用事例をご紹介します。

SEO対策における生成AIの活用

検索結果の上位に表示される記事の条件として、「網羅性」と「オリジナリティ」があります。網羅性の高い記事を書くには、調査に時間がかかってしまいます。生成AIはテーマを網羅的に捉えることが得意なので、その部分を圧倒的に効率化します。そのため、生成AIでSEOに強い記事を制作するツールが多く登場しています。

おすすめは、SEOの専門家が開発し、低コスト高パフォーマンスのBringRitera(リテラ)です。先述の通り、Googleは検索上位の多様性を重視し、記事にオリジナル要素も求められることには留意が必要でありますが、BringRitera(リテラ)はそのことも踏まえた機能を持ちます。ただ単に文字数を多く見せるようなツールが多い中、他と一線を画すツールとなっています。

BringRitera(リテラ)

文字数を多くすることに注力するようなツールだと、記事内の内容が重複したり、テーマに対して無駄な内容が入り、逆効果になりやすいので、ご注意ください。

また、BringRitera(リテラ)はChatGPT、Gemini、Claudeという最高峰の生成AIの各最高クラスのモデルを切り替えながら利用できるという良さもあります。

画像生成AIの活用

画像生成AIは言葉による指示で画像を生成してくれます。広告用の画像や記事の画像、ロゴ画像など多様な使われ方があります。先ほどご紹介したBringRitera(リテラ)は画像生成AIの機能も持ちます。14種類のテイストを選択することが可能です。次の画像のように、リアルな実写風から、水彩画風、アニメ風などがあります。

マーケティングにおける生成AIの活用

SEOでは特に目に見えやすい形で活用が進んではいますが、もっと広くマーケティングでの活用も注目されています。従来の顧客ターゲティングでは、年齢や性別、居住地などの属性情報に基づいて顧客をセグメントすることが一般的でした。しかし、生成AIを活用することで、顧客の購買履歴やウェブサイトの閲覧履歴、SNSでの活動履歴など、より多くのデータに基づいた詳細な顧客セグメント分けが、これまで以上に詳細に可能となります。例えば、過去の購買履歴から顧客の好みの商品やサービスを分析し、AIが自動的に顧客をセグメントすることで、よりパーソナライズ化されたマーケティング施策を展開することができます。これは、顧客満足度や購買意欲の向上に繋がり、結果として売上増加に貢献します。

例えば株式会社サイバーエージェントは、顧客の行動履歴や属性データなどをAIが分析し、自動的に顧客をセグメントすることで、個に対して最適なメッセージを配信することを行っています。従来の一斉配信型の広告配信と比較して、顧客一人ひとりに最適化されたメッセージを届けることができるため、広告効果の向上が見込めます。

参考:デジタルマーケティング×AI(サイバーエージェント)

ソフトウェア開発への生成AIの活用

2020年前後からノーコード開発が流行り始め、Bubbleなどのツールが登場しました。しかしノーコード開発は制約が大きいです。あらかじめ用意されたテンプレートしか用いることはできません。そもそもプログラミングが分かる人間からすると、ノーコード開発ツールの学習コストよりも新たなプログラミングの学習コストの方が低いと感じてしまいます。
そして、生成AIにより、プログラムの中身まで理解しなくても開発できてしまう方法としての本筋は生成AIにあっという間に取って代わりました。
ChatGPTなどの生成AIはプログラミングがとても得意です。人間が話す言葉、いわゆる自然言語というのは曖昧さを持ちます。「黒い大きな目の猫」は「体が大きい」と「目が大きい」の2つ考えられますし、「このハシ渡るべからず」などの言葉があるように、日本語は同音異義語も多いです。それに比べてプログラミング言語は「1+1=2」のようなもので、曖昧さを持ちませんので、生成AIにとっては自然言語に比べてだいぶ簡単なわけです。

エンジニアはITリテラシーが高いので、ChatGPTはもちろん使ったことがある人がほとんどでしょうし、多くのエンジニアはChatGPTなどの生成AIを自分のアシスタントとして使っているはずです。私の場合は、これまでGoogle検索で場合によっては1日費やして調べていたであろうプログラミングが、ChatGPTを使うと10分以内で終わってしまった、というケースもあります。もしも自社のエンジニアにChatGPTの利用を制限させているとすれば、それは大きな損失なので、やり方を見直した方が良いかもしれません。
なお、開発の基本的なところは理解してないと、生成AIとの会話すらできないので生成AIを用いての開発は難しいです。

議事録作成への生成AI活用

企業において打ち合わせの議事録作成というのは意思決定を進めていくうえで重要で、議事録の作成に多大なる時間をかけてきている状況があります。若手が作成し、打ち合わせ参加者全員がレビューして完成となるといった具合です。これは合意形成を重要視する日本企業ならではのところもあり、日本の生産性を大きく下げてしまっている要因の1つではないかと個人的には思うところもあります。

そのような背景から、音声から文字起こしをしたうえで、要約まで行ってくれるAI議事録作成ツールの利用率が非常に高まっています。人が作成するよりよっぽど情報量が多く、かつ個人的見解の入らない精度の高い議事録になると言えるのではないでしょうか。プロダクトは様々あり、例えばnottaなどがあります。

スライド資料作成への生成AI活用

イルシルのように、テキストを入力するだけでスライド資料を作ってくれるサービスが登場しています。特にエンジニア、研究者などが作る資料はただでさえ内容が難しいのに、余計に小難しそうに見えることがあるので、そういう部門は、こういうのを使うことを検討してみても良いのではないでしょうか。

イルシル

求人広告の生成AI活用

求人広告の記載内容に関して生成AIで作成する取り組みも進んでいます。株式会社マイナビは、東京大学の松尾教授と共同でプロジェクトを進めており、30%の業務効率化を実現したと発表しています。

カスタマーサポートにおける生成AIの活用

カスタマーサポートにおいては、次のように多岐に渡る生成AIの活用が進んでいます。具体的な事例としては、みずほ銀行の事例三井住友銀行の事例などが挙げられます。

自動応答

  • よくある質問への自動回答
  • チャットボットによる24時間対応
  • 顧客の状況に応じた適切な回答の提供

問い合わせ分析

  • 問い合わせ内容の自動分類
  • 顧客の感情分析
  • 問題解決に繋がる情報の抽出

サポート業務の効率化

  • 回答候補の提案
  • 問い合わせ対応の自動化
  • マニュアル作成の補助

パーソナライズ化

  • 顧客の属性や過去の履歴に基づいた情報提供
  • 顧客一人ひとりに合わせたサポート体験の提供

多言語対応

  • リアルタイム翻訳による多言語サポート
  • 海外顧客への対応コスト削減

新素材開発への生成AIの活用

新素材の開発は、膨大な時間とコストがかかるプロセスですが、生成AIを活用することで、そのプロセスを大幅にスピードアップすることができます。例えば、AIに既存の素材データや実験データを学習させることで、新素材の候補となる物質の組み合わせや合成方法を予測することができます。また、シミュレーションによって、新素材の特性を事前に評価することも可能です。

例えば、株式会社Preferred Networks(PFN)は、物質探索に特化した生成AI技術「Matlantis」を開発しました。Matlantisは、過去の膨大な実験データや論文データから、新素材の候補となる物質の構造や特性を予測することができます。従来のシミュレーションでは、計算に膨大な時間がかかっていましたが、Matlantisは、高速かつ高精度に新素材の候補を探索することができ、新素材開発のスピードアップに大きく貢献しています。

医療への生成AIの活用

医療でも生成AIの活用が進み始めています。

富士フイルムはAIが癌発見を支援する内視鏡を開発しました。
https://brand.fujifilm.com/sekai-hitotsuzutsu/contents/endoscopyai/
国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所と日本IBMは、診療ガイドラインを学習した生成AIによる問診の研究を進めています。
https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20240307/2000082538.html
NECは文書作成を生成AIで支援する電子カルテを販売開始しました。
https://jpn.nec.com/press/202403/20240318_01.html

教育への生成AIの活用

教育分野においては、現在研究が進められている段階と言えますが、文部科学省は暫定的なガイドラインを設け、以下のような活用が検討されています。

個別最適化された学習体験の提供

  • 生徒一人ひとりの学習進度や理解度に合わせた教材や問題を生成
  • 苦手な部分を重点的に学習できるよう、復習問題を自動生成

教師の業務効率化

  • テスト問題や教材の作成を自動化
  • 生徒の答案を自動採点し、フィードバックを提供
  • 授業計画の作成をサポート

新しい学習コンテンツの創出

  • インタラクティブな学習ゲームやシミュレーションを生成
  • 歴史上の人物や架空のキャラクターとの対話をシミュレート
  • 生徒の創造性を刺激するような、新しい形の物語や芸術作品を生成

学習のアクセシビリティ向上

  • 教材を多言語に翻訳
  • 視覚障がい者向けにテキストを音声に変換
  • 学習に困難を抱える生徒向けに、個別にカスタマイズされたサポートを提供

外国語学習

GPT-4oは音声入力が可能で、発音の抑揚まで解釈し、あたかも人と会話しているかのような体験が可能です。GPT-4oに英語で話しかけるだけで、英会話の練習になると言えるでしょう。スパークバディのような生成AIを活用した英会話アプリも登場しています。

交通分野における生成AIの活用

交通分野におけるAIの活用は「自動運転」という文脈で古くから取り組まれています。レールの上を走る電車においては、例えばモノレールの「ゆりかもめ」が完全自動運転をすでに実現しています。しかしあれはAIの力ではありませんね。

自動車の自動運転の発展において生成AIが着目されています。自動車の自動運転に対するレベルは、レベル0~レベル5まで定められています。レベル0は自動運転技術が全く搭載されてない状態なので、自動運転のレベルとしてはレベル1~5です。
参考:自動運転のレベル分けについて

2024年時点では、レベル4にあたる「システムが主体となって運転、特定条件下ではすべてを実行」という内容のサービスも提供開始されています。
レベル5が「常にシステムが全ての運転を実行」という内容になっています。

果たしてレベル5は到来するのでしょうか?個人的には昔から懐疑的で、それは生成AIが登場した今でも変わりません。人の命が関わっているということと、あまりにも外部要因が多すぎるからです。例えば白線を頼りにする自動運転など、白線が消えたらアウトなので、そんなものに命を預けられません。大雨が降って人でさえ運転をやめたくなるような状況でさえも自動運転が果たして可能なのでしょうか?そういうときこそ、AIによる「アシスト」は求めたくはなりますが。

そのため、レベル5の実現に向けては、画像(動画)、音、レーザーを用いた外部との測定距離など様々な外部情報を頼りに精度高いAI技術が重要となり、そのうえで生成AIが着目されているというわけです。従来の自動運転の技術もディープラーニングのAIの技術が用いられていましたが、生成AIにより5秒後の状態を予測するという技術を開発するスタートアップが誕生するなどしています。

ただ個人的にはやはり、技術予想的にも、ユーザーとしても、自動運転は期待してません。衝突回避など安全性向上に向けた取り組みは意義が高いと思っています。増え続けている高齢者の事故防止などの観点では重要です。

また、高速道路上での大渋滞の時は現実的だと思いますし、アクセルを踏んではブレーキを踏んでの繰り返しで疲れますので、そのシーンに限っては自動化して欲しいとは思います。

全てのシーンにおいて完全自動じゃなくていいじゃん、と思います。周りのドライバーにレベル5の自動の状態で運転して欲しくないわけです。自動がいいなら電車に乗れよ、とまでは言いませんが。

物流分野における生成AIの活用

POSデータや天候データなどの膨大なデータを収集・分析し、生成AIを活用した需要予測システムが構築されています。このシステムは、過去の販売データやトレンドなどを学習し、商品ごとの需要を高い精度で予測します。これにより、廃棄ロスを削減しつつ、顧客のニーズに合わせた最適な商品を、最適な量だけを仕入れることが可能になっています。

効果

  • 廃棄ロスの削減:小売業にとって、食品ロスは大きな課題です。生成AIを活用した需要予測システムを導入することで、より精度の高い需要予測が可能となり、食品ロスを大幅に削減することができます。
  • 機会損失の削減:機会損失とは、商品が不足することで発生する売上機会の損失のことです。生成AIを活用した需要予測システムを導入することで、商品の欠品を減らし、機会損失を削減することができます。
  • 在庫管理の効率化:生成AIを活用した需要予測システムを導入することで、在庫管理を効率化することができます。適切な量の商品を仕入れることができるため、在庫過多による保管コストの増加や、在庫不足による機会損失の発生を防ぐことができます。

建築業界における生成AIの活用

設計案の自動生成

生成AIを用いることで、様々な条件を入力するだけで、多数の設計案を自動で生成することが可能になります。例えば、敷地の形状や面積、建蔽率と容積率、方角、部屋数、階数、予算などの条件を入力することで、AIが自動的に設計案を作成します。これにより、設計者は従来よりも多くの設計案を検討することができ、より創造的な設計を生み出すことが期待できます。

特に東京でよくあるような狭小土地で、少しでも床面積を確保したいというような場合に、日光を住宅に取り入れるための斜線制限もある関係で、少し家の向きを水平方向に変えるだけで居住スペースが広くなるというようなことがあります。そのような計算は建築士であっても相当に難しく、同じ土地をもとに複数の建築士に設計してもらうと、不思議と床面積に大きな差が生まれたりします。それは偶然性によるところが大きいのですが、AIの活用によりこのような課題も解消されていきます。
※私は建築が好きで、詳しいのです。

構造解析

生成AIは、建物の構造解析にも活用できます。建物の形状や材質などのデータを入力することで、AIが建物の強度や安定性を自動で解析します。これにより、設計者はより安全で効率的な構造設計を行うことが可能になります。

環境性能のシミュレーション

生成AIを用いることで、建物の環境性能をシミュレーションすることも可能です。日当たりや風通し、断熱性などを考慮した設計を行うことで、エネルギー効率の高い、快適な建築物を実現することができます。

コストの見積もり

生成AIは、設計図面や仕様書などのデータに基づいて、建築コストの見積もりを自動で行うことができます。これにより、精度の高いコスト計画を立てることが可能になり、予算管理の効率化に繋がります。

施工計画の作成

生成AIは、建物の3Dモデルや現場の状況などのデータに基づいて、最適な施工計画の作成を支援することができます。これにより、工期の短縮やコスト削減、安全性向上などが期待できます。ショベルカーの工事においては、オペレーターの段取り力に頼る部分が大きく、生成AIによるアシストが期待されているところです。

司法における生成AIの活用

司法における生成AIの活用は現時点ではされていないと思われます。検討自体は、海外で先行しているようですが、日本国内では、生成AI活用の注目度が他の分野よりも低いように感じます。それが何故かと考えれば、民間企業の利益に繋がらないからでしょう。であるからか、司法の世界はいまだに紙でやり取りをしています。印鑑が使われています。そもそも印鑑など、日本特有であることを把握している日本人はどれだけいるのかな、と思うことがあります。民間同士の契約書は電子契約が進んでいますが、肝心の司法が関わると紙になってしまいます。紙などいとも簡単に破けるし、雨でふにゃふにゃになるし、郵送の間に失われるリスクもあります。電子契約は第3者のクラウドサーバーで保管してもらえます。国は真面目に日本の生産性を考える気があるのだろうか、と私は思っています。

というわけで、司法における生成AIの活用は、調べると出てくるのは以下のように、あくまでもアカデミックな研究だけです。

対談「デジタル化する法 司法判断へのAIの導入は何を変えるのか」
(国立研究開発法人科学技術振興機構 社会技術研究開発センター)

ChatGPTが裁判官?AIに裁かれる未来 受け入れますか
(NHK)

AIの裁判への導入は「期待」と「不安」と
(大学共同利用機関法人 情報・システム研究機構 国立情報学研究所)

日本は多くの大きな免罪事件を生んできています。2023年、2024年にも大きな免罪事件が複数取り上げられているのをニュースで見ました。誤認逮捕のニュースも後を絶ちません。そうなると国が訴訟をされます。そのような事件の被害者の心情を考えるととても痛ましいです。そして、そのような事件の損害賠償は国が支払うわけであり、つまり我々の税金から支払われるわけです。ちゃんとしろ、と強く言いたい。

人には欲というものがある。政治的な事情、働きがどうしても入る。警察による不祥事、検事も絡んだ証拠捏造事件も後を絶たないわけで、人が人を裁けるのかという疑問を感じます。人だけによる判決よりも、AIによる判断が加わっている方が、判決を受ける人も納得感が増すのではなかろうか。生成AIも間違うことはあるが、人よりもミスの頻度は小さい。生成AIの優秀さをよく知る私は、AIによって、少なくとも判決の「支援」はされるべきではないかと思うし、生成AIが活用されるべき分野として注目されるべきなのではないかと強く思います。

生成AIを導入するメリット

生成AIを導入することで、企業は以下のようなメリットを享受できます。

メリット詳細
業務効率化によるコスト削減自動化や効率化により、人件費や時間コストを削減できます。
生産性向上による売上増加従業員の創造的な業務への集中や、顧客満足度向上による売上増加が見込めます。
顧客満足度の向上パーソナライズ化されたサービス提供や、迅速な問題解決により、顧客満足度を向上できます。

AIがいかに人の仕事を奪うかという観点が取り上げられがちですが、AIが新たに生む機会、チャンスの方が大きいのではないでしょうか。AIに仕事を奪われるという考え方はネガティブですし、何も生むことはなく、生産性に欠けるということは明白です。AIはもう、完全に実用レベルに到達しています。いかにAIを活用し、より仕事の質と効率を上げていくかを考えることが益々重要となっていくでしょう

生成AI導入の際の注意点

生成AIを導入する際には注意点もあります。

倫理的な問題

生成AIの利用においては、倫理的な問題が生じる可能性があります。例えば、AIが生成したコンテンツが差別的な内容を含む場合や、著作権を侵害する可能性があります。また、AIが生成した偽情報が拡散されるリスクもあります。これらの問題を防ぐためには、AIの開発や利用に関する倫理ガイドラインを策定し、遵守することが重要です。具体的には、AIの学習データに偏りがないかを確認することや、AIが生成したコンテンツを人間がチェックすることが重要です。また、AIの利用目的を明確にし、悪用されることのないよう、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります

なお、ChatGPTの開発元であるOpenAI社は、いくつかの巨額の訴訟を起こされており、その判決には注目が集まっています。

ChatGPTの商用利用と著作権で気を付けるべき点は?

セキュリティ対策

生成AIは、機密情報や個人情報を含む大量のデータを扱うため、セキュリティ対策が非常に重要になります。AIシステムへの不正アクセスやデータ漏洩を防ぐためには、適切なアクセス制御や暗号化などのセキュリティ対策を講じる必要があります。また、AIシステムの脆弱性を悪用した攻撃にも注意する必要があります。セキュリティ対策を怠ると、企業の信頼を失墜させたり、経済的な損失を被ったりする可能性があります。そのため、生成AIを導入する際には、セキュリティ専門家の助言を得るなど、万全のセキュリティ対策を講じることが重要です。

例えば、生成AIの学習データに、顧客の個人情報が含まれている場合、そのデータが漏洩すると、プライバシー侵害などの問題に発展する可能性があります。生成AIを導入する際には、個人情報保護法などの関連法令を遵守し、適切なセキュリティ対策を講じる必要があります

導入コストと運用体制の整備

生成AIを導入するためには、AIシステムの構築や運用に必要なコストが発生します。また、AIシステムを運用するための人材育成や体制整備も必要になります。導入コストや運用コストを抑制するために、クラウドサービスの活用を検討することも有効です。また、AIシステムの導入効果を最大限に引き出すためには、業務プロセスを見直したり、従業員の意識改革を進める必要もあります。生成AIの導入は、単に技術的な問題だけでなく、組織や人材に関する課題にも取り組む必要があることを認識しておく必要があります。

例えば、生成AIを導入するためには、AIの専門知識を持った人材が必要になりますが、専門人材の不足が深刻化しており、採用や育成に多大なコストがかかる可能性があります。生成AIの導入を検討する際には、必要な人材をどのように確保するか、社内体制をどのように整備するかなどを事前に検討しておく必要があります。

生成AIの未来

生成AIは、まだ発展途上の技術ですが、その可能性は無限に広がっています。今後、さらに技術が進歩することで、より高度なコンテンツ生成や、より複雑なタスクの自動化が可能になると期待されています。また、生成AIは、様々な分野での活用が期待されています。例えば、医療分野では、病気の診断や治療法の開発に活用したり、教育分野では、生徒一人ひとりに合わせた学習教材の作成に活用したりすることが考えられます。著作権の問題、倫理の問題など向き合うべき課題も残されていますが、生成AIに対してはポジティブに向き合うことで、私たちの社会を豊かにしてくれる方向への、大きな変化をもたらす可能性を秘めた技術と言えるでしょう。


著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。