アクセシビリティは、ウェブのユニバーサルデザインのことです。専門家の間ではA11Y(エーイレブンワイ)と略します。AccessibilityのAとyの間の文字数が11文字だからです。ちなみに私は専門家でしたが、そう呼んだことはありません。呼びやすさはともかく、cが2回、sが2回、iとlが見分けがつきにくい、などで「Accessibility」と書くときに慎重にタイピングしたりはしていますが、A11Yと書いても通じないですしね・・という話はさておき、ここではアクセシビリティの基本的なことについて解説します。

アクセシビリティとは|SEOにも関係します

アクセシビリティとは

ホームページを利用している全ての人が、
心身の条件や利用する環境に関係なく、
ホームページで提供されている情報や機能に支障なくアクセスし、利用できること

上記は外務省のホームページで記されているウェブアクセシビリティの定義です。
制作時、アクセシビリティを考慮する際に行うべきことは多くあります。特にスクリーンリーダーと呼ばれる、ホームページの内容を読み上げるソフトウェアの対応を強く意識する必要があります。
スクリーンリーダーは視覚障がい者など画面を見ることができない方がウェブを利用する際に用いるもので、Windows、iOS、Androidなどには標準で搭載されています。
もちろんそれだけではなく、例えばマウスを利用できずキーボードを叩くことのみで利用するユーザーのためにマウスでのみ操作可能な部分を作らないということ、文字サイズ色覚障がい者のことを考慮した色の使い方など、考慮すべきことは様々あります。

関連規格

ウェブアクセシビリティに関わる規格として、W3C(W3Cのことはこちらの記事を参照ください)が定める「WCAG2.1」と呼ばれる世界的なルールと、それに基づいた日本の規格「JIS X 8341-3」が存在します。ちなみに、JISの番号8341は、「やさしい」から付けられた番号です。
米国では、「リハビリテーション法501条」や「ADA法(障がい者法)」をもとに、「利用できないことによる損害」について、エンドユーザーによる訴訟も可能ですが、現時点日本では、そうなっていません。
ただ、政府関連機関や、大企業のホームページなどは「JIS X 8341-3」に準拠しているケースが多いと思います。「JIS X 8341-3」は、指定された検証を行うことで、準拠したということを示すことができる仕組みがあります。例えば外務省のホームページでもJISの試験結果を示しているページがあります。他のホームページでも、準拠しているところは大抵、フッターに「アクセシビリティ」のメニューが用意されているので、気になる方は探してみてください。

対応内容

何をする必要があるのかというと、基本的にはHTMLの仕様に準拠することです。スクリーンリーダーなどのユーザーエージェントは、HTMLの内容を参照して、それをユーザーに伝えます。文章だと判断すれば文章であることを前提に伝えますし、画像だと判断すれば、画像であることに加え、そこに記されている代替テキスト(<img alt="ここに代替テキストを書きます">)を伝えます。それが装飾画像(altをあえて空にしている画像)であれば、視覚障がい者にそのことを伝えても邪魔なだけなのでスクリーンリーダーは無視をしてくれます。また、伝えるユーザーエージェントはスクリーンリーダーに限りません。例えばブラウザでCSSをオフにすれば、代替テキストが表示されます。
もうひとつわかりやすい例を挙げると、テーブル(表組)があります。縦にも、横にも見出しが並び交差する表というのがあると思います。画面を見ることができれば、どのセルが、どの見出しとどの見出しに該当するかが分かりやすくてよいのですが、スクリーンリーダーがそれを解釈するには、見出しに印が必要になります。私がこちらのページで示しているテーブルがあるので、コードが読める方は確認してみてください。
もちろん、色のコントラストのことであったり、動画にキャプションをつけることであったりと、HTMLの仕様に従うだけで対応できる範囲にも限界はあるのですが、HTMLはアクセシビリティを熟考して仕様が決められているので、まずはそれを強く意識することです。

アクセシビリティとSEOとの関連性

SEOに詳しい方であれば、どこかで聞いた話だと思うでしょう。そうです、アクセシビリティに対応すれば、SEO対策のベースにもなります。Googleはユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」の理念が先頭にあります。エンドユーザーにしっかりと伝わる内容になっているかの判断材料として、W3Cの活動に積極的に参画しているGoogleが、HTMLの仕様準拠を確認するのは当然といえます。

まとめ

ウェブほどに複雑かつ完成度の高いユニバーサルデザインというのは、他に私は知りません。私はそういうことまで考えながらホームページ制作を行っています。新しい仕様が生まれ続け、この場合はどうするのが理想的なんだろう?と探求心が尽きないので、ウェブは面白いです。
ホームページ制作をお考えの方、ぜひお問い合わせください!