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blockquoteタグ(引用タグ)とは?使い方とSEO効果

ウェブで記事を書く際に、他のサイトなどから内容を引用することがないでしょうか?

blockquoteタグはそのようなときに利用するものであり、SEOと密接な関係があります。
具体的な使い方とSEOとの関係について詳細を解説いたします。

blockquoteタグとは

blockquoteタグとは、HTMLのタグ(要素)の一つです。主に他の出典からの長い引用文、段落の引用を表現する際に使用します。

引用元は、blockquoteタグのcite属性を使って記述します。cite属性には、ウェブからの引用であればそのURLを、書籍の場合はISBNコードを記載します。

引用元の名称はciteタグを使って表現します。

<blockquote cite="urn:jsbn:978-4-1010-1001-4">
   <p>吾輩は猫である。名前はまだない。</p>
   <p>どこで生れたか頓(とん)と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。</p>
   <cite>夏目 漱石 著「吾輩は猫である」</cite>
</blockquote>

上記のHTMLを実際に記述し、特にCSSを当てない場合のブラウザによる表現(お使いのブラウザにより異なります)は通常、インデントされて表示されます。

しかしそれだけだと分かりづらいので、次のような表現がされることが多いです。

吾輩は猫である。名前はまだない

どこで生れたか頓(とん)と見当がつかぬ。何でも薄暗いじめじめした所でニャーニャー泣いていた事だけは記憶している。

夏目 漱石 著「吾輩は猫である」

なお、文の一部分であったり、短い文章の引用の場合はqタグを利用します。

<p>
   夏目 漱石著の『吾輩は猫である』における有名な冒頭文に<q cite="urn:jsbn:978-4-1010-1001-4">吾輩は猫である。</q>がある。
</p>

qタグで囲われた部分は、以下のようにブラウザにより「」で囲って表現されるのが通常です。

夏目 漱石著の『吾輩は猫である』における有名な冒頭文に吾輩は猫である。がある。

WordPressでblockquoteタグを利用する方法

WordPressのブロックエディタでは、「引用ブロック」を利用すると、blockquoteタグとciteタグを利用した記述ができるようになります。

「引用元を追加」のところに記載した内容が、citeタグでの記述となります。cite属性での記述はできないので、その場合はカスタムHTMLブロックを利用してHTMLで記述します。

blockquoteタグの正しい使い方

他のサイトや書籍などから引用して示す場合、必ずblockquoteタグやqタグと、cite属性およびciteタグを上述のように適切に用います。

blockquoteタグの正しい利用による効果

以下に、blockquoteタグを正しく利用することによる効果を、SEO効果とそれ以外に分けて解説します。

blockquoteタグのSEO効果

コピーコンテンツではないことを示す意義

他のサイトの内容をコピーした内容はコピーコンテンツのため上位に表示されません。悪意あるコピーではないこと、引用して示しているのだということを見た目の違いや文言だけで示すのではなく、blockquoteタグを正しく利用することで、Googleにもしっかりと伝えることができます。

逆に言えば、blockquoteタグを利用せず引用してしまった場合、Googleにコピーコンテンツとみなされて評価を下げられるリスクがあると言えます。

コンテンツの信頼性を伝える意義

信頼あるサイトを引用した内容は信頼できるという風にみなされます。なんの根拠もなく述べられた内容と比べて、実験結果のデータが示された内容の方が信頼できるというようなことです。その根拠が引用したものである場合、その引用元が信頼できるところであれば、コンテンツの信頼性の高さをGoogleに対しても示すことができます。

ユーザーの滞在時間の延長

引用元を分かりやすく示すことでコンテンツが見やすくなり、ユーザーがよりそのコンテンツを見ようと思ってもらえる期待があります。このことは常に、SEOに対して間接的な効果をもたらせます。

blockquoteタグ利用によるその他の効果

先にお見せした例のように、見せ方の工夫にもよりますが、工夫すれば見た人にとって、メリハリのない文字の羅列よりも見やすくなります。

目が不自由な方が用いるスクリーンリーダーでの利用の場合も、引用部分であることが伝わります。

blockquoteタグ利用上の注意点

blockquoteタグを利用する際には、いくつか注意すべきポイントがあります。

cite属性、citeタグを適切に利用すること

引用元を明記することはマナーでもあります。Googleに対してもそのマナーを示すには、cite属性、citeタグまで適切に利用する必要があります。

引用しすぎないこと

ページ内に引用量が多すぎると、オリジナルコンテンツが少ないとGoogleに判断されSEOに影響が出るリスクがあります。引用は必要な部分だけに留め、自らの分析や意見を主にした記事作りを心掛けましょう。

blockquoteタグを入れ子にしないこと

blockquoteタグの中にblockquoteタグを入れる入れ子構造は、混乱を招く可能性があるため避けることを推奨します。複数の引用が必要な場合でも、それぞれにblockquoteタグを付ける形式を取ります。

まとめ

blockquoteタグのことを知っているのと知らないのでは、サイト全体の評価も変わってくると考えられますので、適切な使い方をしましょう。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月にBringFlowerを開業し、SEOコンサル、デザイン、ウェブ制作を一手に受ける。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。
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