SEO

古い記事はSEOにおいて削除すべきか?

ニュースサイトのCNETが、Googleの検索順位を向上させるために古い記事を大量に削除したというニュースが流れました。

どうしてCNETはその方略に出たか、実際にそれで効果はあるのか、を解説します。

CNETがGoogle検索順位を上げるために古い記事を作成

CNETがGoogle検索順位向上を目的として、古い記事を大量に削除した、という事実はCNET自ら次の資料で明かしている内容です。

CNET Content Pruning Project – Q3 2023

ニュースとしては2023年8月9日の次の記事で取り上げられています。

CNET Deletes Thousands of Old Articles to Game Google Search

Googleの主張

Googleはこのニュースに対して、「ユーザにとって役立つコンテンツは古くても削除すべきではないし、そのようなことはGoogleは推奨していない」という風に主張しています。X(旧Twitter)での言及です。

実際どうなのか

Googleの評価軸は大きくは次の3つです。

  1. Needs Met
  2. E-E-A-T
  3. Originarity

それぞれ、当方の補足も入れると次の3つということです。

  1. 検索意図に合致した、ユーザーにとって価値のある有意義なコンテンツ
  2. 信頼できる、正しい内容のコンテンツ
  3. ただのコピーコンテンツではない、オリジナリティー(独自性)のあるコンテンツ

古い記事が徐々に評価が下がっていくという事実はあります。それは「新しい情報の方が古い情報よりもユーザーにとって価値がある」ケースが多い、ということが理由としてあります。

実際、「フレッシュネスアルゴリズム」と呼ばれるアップデートが2011年に行われています。

ただし、必ずしも新しい記事が上位に表示されるわけではなく、その内容が新しいことに意味があるかどうかです。古い記事でも参照したいユーザーがいる内容であれば、そのコンテンツに価値はあります。その意味で、ただ古いからといって機械的に消すという行為はGoogleにとって本望ではないでしょう。

可能であれば、1記事ずつ吟味したうえで消すべき記事は消す、というのが理想です。
ただ、それが現実的ではないから、Google検索順位向上のために一気に古い記事を消す、という方略はいい方向に動く可能性が高いということがあると思います。

サイト全体の評価というのは、各ページの合計点と平均点の両方が効いてくるものと考えています。つまり、平均点を押し下げるような記事は削除した方が良いというのはあります。

とはいえ、CNETのようなニュースサイトの古い記事というのは、平均点を押し下げるようなものではないと考えられます。ただ、CNETのように大量のページを同一サイト内に持つ場合、ページの削除はクローラビリティの観点でのSEO効果が期待できます。
ページ数が大量にあるようなサイトの場合、クロール頻度の調整が入ります。古い記事を削除することで、よりニーズの高い新しい記事のクロール頻度が上がり、結果的にサイト全体の評価が上がり得るということです。

行うべき方略

ニュースサイトが1記事ずつ吟味して古い記事を整理するのはやはり現実的ではないですが、アクセス数を見て、アクセスのない記事だけ削除していく、というのが良いでしょう。アクセスがないということは、検索されてないか、検索上位に表示されてないということであり、それはすなわちユーザーにとっての価値が低いとGoogleに判断されているとも言えます。

今後について

今回のCNETの戦略は、少なくともGoogleが、Googleの本望ではないことを明かすというニュースになるほどのものでした。

そのため、ユーザーにとっての価値を考えたアルゴリズム改良のきっかけになればよいですね。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。