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WordPressにおけるパーマリンク(URL)設定のおすすめ、理想と最適解に関する考察

WordPressはパーマリンク(URL)を設定画面だけである程度カスタマイズできます。PHPまでいじればさらなるカスタマイズも可能ですが、一方で、限界もあります。ここでは、SEOのことと、将来的な運用も視野に入れてどのようにしておくべきか私の考えを残します。

パーマリンク(URL)について

パーマリンクの意味はURLとイコールなのですが、どのように設定できるかというと、以下のように色々選択肢があります(あくまで例で、選択肢はまだあります)。ドメイン名のところは、例えば「example.com」などと置き換えて見てください。

ドメイン名/category/記事ID/

ドメイン名/category/記事スラッグ名/

ドメイン名/記事ID/

ドメイン名/記事スラッグ名/

「category」のところは、デフォルトではどのようなカテゴリーでも「category」となるのですが、自分で決めた名称に置き換えることもできます。デフォルトの「投稿」メニューでは、その名称になります。
カスタム投稿タイプ」であれば、それとは別に「blog」「news」などに変えることが可能となります
記事スラッグ名は各投稿編集画面で設定可能な名称です。

パーマリンク(URL)の設定方法

設定画面で設定する方法は「設定」>「パーマリンク」の画面です。「カテゴリーベース」の欄に文字を入力すると、上述の「category」の文言がそれに置き換わります。

functions.phpに書く場合は、長くなるので別の記事にする予定です。仕組みとしては、リダイレクトです。基本的にWordPressは、記事に対するパーマリンク自体は一意に決めていて、そこに対してリダイレクトさせているという仕組みになっています。

パーマリンク(URL)の構造とSEOの関係

URL構造はSEOのために、とよく言われますが、URLに特化して色々考える前に、ユーザー(サイト閲覧者)にとってわかりやすいサイト構造、サイト設計を考えましょう。そうすればおのずと、URLの構造も問題ない形になるはずです。ユーザー(サイト閲覧者)にとってのわかりやすさを意識していれば、URLにおいてそれ以上のことは、SEO対策で色々必要なことがある中で重要度としてはさほど大きくはありません。

GoogleのJohn Mueller氏が実際にTwitterや会合の中で何度か「URLとSEOとの関係性の低さ」について述べているようです。「ユーザーにとってどうかを考えましょう、そもそも、モバイルではURLの確認さえできないです」という主旨のことを述べてます。

一方で、実際のところURLがSEOに影響がある理由としては以下があります。

Googleがサイト構造を理解しやすければクロールしやすい

これは以前は実際にそうだったと思うのですが、今はどれだけ必要性があるか疑問があります。
まず、前提としてすべてのページが、サイト内のどこか別のページからのリンクが張られている状態にしてください。それは大切で、それさえすればGoogleはすべてのページを見つけてくれるはずです。また、サイトマップ(sitemap.xml)というものもあります。それをツールなど用いて更新される状態にしていれば、クロールされます。
意図せず残してしまっているようなページでもしっかりとGoogleはインデックスしてくれているのが現状なので、はちゃめちゃじゃない限りは、そこまでクロールのしやすさの観点でサイト構造を細かく考えなくても良いとは思います。

サイト閲覧者がサイト構造を把握しやすい

URLをサイト閲覧者が見た時に、例えば以下のURLだったとすれば、

ドメイン名/news/002/

次のURLもあるのだろうと想像はしやすいですよね。

ドメイン名/news/001/

また、次のURLでnewsの一覧が見られることも期待されるでしょう。

ドメイン名/news/

このような期待には応えられるようにしておくべきだといえます。
これに気づいて、サイトを回遊してもらえれば、その分サイトの閲覧時間が増えて、結果的にSEO対策になる、ということはあります。
ただ、実際にサイト閲覧者がURLを見ることはどのくらいあるでしょうか?皆さんご自分はいかがでしょうか?皆無に近い人が多いはずですが、いかがでしょうか?
私がそれほどSEOとURLとの関係は重要ではない、と思うのはそういうことです。
一方で、次に示すようなパンくずリストは重要だと考えます。おそらくパーマリンクが見られる頻度は少ないですが、パンくずリストがクリックされることというのは結構あります。

パーマリンク(URL)の構造はどうすればよいのか

仮に、

  • お知らせ
    • リリース情報
    • キャンペーン情報
    • 営業日
  • 商品情報
    • 洋服
    • アクセサリー
    • 雑貨
  • ブログ
    • トレンド情報
    • 食事処

といった感じでそれぞれに分けて投稿をする運用を見据えたとします。

その場合に、私が理想だと思うWordPressにおけるパーマリンク(URL)の構造は以下の通りです。
(理想と言っている対象はnews, products, blogなどの名称ではなく、URLの構造です)

ドメイン名/news/スラッグ名/

ドメイン名/products/スラッグ名/

ドメイン名/blog/スラッグ名/

この場合、上述の「洋服」や「アクセサリー」の情報がスラッグ名に書かれない限り見ても分からないので、スラッグ名はそれなりに考えて決めるのが理想でもありますが、それが大変なので、スラッグ名は機械的にWordPressが決めてくれるIDにしてしまう、というのも全然ありだと思っています。アフィリエイトで稼ぐ人のブログを見ていると、スラッグ名はIDにしている人も多いようです。


あれ、こうじゃないの?と思う方もいらっしゃるでしょう。

ドメイン名/news/release/スラッグ名


私も、最初はそう考えました。
ただそうした場合、例えば新しいアクセサリーのリリース情報を出した場合に、

ドメイン名/news/release/スラッグ名

ドメイン名/news/products/スラッグ名

のどちらにしたいでしょうか?
両方存在する形にはできません。
WordPressは、ある投稿に対して、複数のカテゴリーをつけることはできますが、パーマリンク(URL)は自動的にどちらかに決まります。
先ほど述べたように、さほどURLは気にする必要もないとは思っているので、気にせずこうするという考え方もあるとは思いますが、私は、運用時に余計なことを考えなくてもよいように、すっきりとさせるのが理想だと考えています。

実はカスタム投稿タイプを作らないと実現できないことなので、ベースを作るのに手間はかかるのですが、URLにカテゴリーを入れると、カテゴリーを変更するとURLも変更することになってしまいます。

私は、通常の投稿は非表示にして、カスタム投稿タイプのみを利用する提案をします。そのベースづくりはもうできているので、それでお見積り額が上がることはありません。
サイト訪問者にサイトを回遊してもらうには、最低限のことをしていれば、あとはURLどうこうよりも、サイトで表示される画面内の見せ方の工夫が望まれます。

アンダースコア(アンダーバー)ではなくハイフンを用いる

アンダースコアはシステム的にはその前後の文字列を繋げて1つの単語としてみなされてしまいます。また、見やすさとしてもハイフンの方が良いので、パーマリンク(URL)においてはアンダースコアではなくハイフンを使うようにしましょう。

良くない例:
dwordpresspermalink
あまり良くない例:
wordpress_permalink
良い例:
wordpress-permalink

このことや、その他URLに関して、Googleのガイドラインで説明もありますので、そちらもご参照ください。

大文字は区別されるので、使わないようにする

大文字と小文字は区別されます。サイト閲覧者はもとより、制作者側も間違えるリスクがあるので、小文字に統一しておくのが無難と言えます。

日本語文字は避ける方が望ましい

パーマリンク(URL)に日本語文字(漢字など)を用いることはできます。その方が目につきやすいからよい、という考え方をする人もいるようですが、私はおすすめしません。

理由としては、

  • ブラウザのURL欄では表示されるが、メールなどでURLを伝えようとすると、文字化けしたような文字列になる
  • SNSでそのURLが拡散されたときも同様に文字化けしたような文字列になる
  • 文字化けしたような文字列になった際に、文字数が多くなり見づらくなる

といった具合で、一方でメリットはないと考えるからです。このようなことがあるので、プロのウェブ制作者はURLに日本語を入れることは基本的にしないと思います。
なのでURLに日本語があると、ちょっと胡散臭いと思ってしまうサイト閲覧者もいるかもしれません。

まとめ

パーマリンクのありかた、WordPressの設定方法、理想となる形について私の考えを記しました。このようにしたい!という方はお気軽にお問い合わせください。ご相談は無料です!

著者のイメージ画像

BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月にBringFlowerを開業し、SEOコンサル、デザイン、ウェブ制作を一手に受ける。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。