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インバウンド需要をSEOで取り込む方法!インバウンドマーケティングの1つ
日本において以前は訪日外国人の数の増加は緩やかで、東京にいても外国人観光客の姿というのは珍しいものでしたが、2013年ごろから急激に訪日外国人客が増え始めました。コロナ禍では急減しましたが、コロナ禍が過ぎて、また一気に元に戻っています。
その訪日外国人が、日本に行きたいと考え、行き方を調べ、訪問し、日本で過ごして自国に戻るまでの間のカスタマージャーニーマップを考えてみたときに、ウェブサイトが重要なタッチポイントになっていることは容易に想像がつくことでしょう。
訪日外国人客の集客手段、インバウンド需要の取り込み方法として、SEOは非常に有効かつ費用対効果が高いものとなります。
どの国をターゲットに、どのような方法でSEO対策を行うべきか、ヒントとなるような情報をご提供したいと思います。
インバウンド需要の推移
次のグラフは国土交通省の観光庁が示しているもので、年別の訪日外国客数の推移が分かります。2013年ごろから急激に増え始め、2020年に始まったコロナ禍で急激に落ち込んではいますが、2023年には元に近い水準まで回復していることが分かります。最も多かった2019年では3,000万人を超えています。
参照:国土交通省観光庁サイト
観光庁によると、2023年における訪日客の旅行消費額は計5兆2923億円で過去最高となりました。人数では2019年の方が多かった一方で、消費額では2023年の方が多かったということです。
国別に見た訪日外国人旅行客
インバウンド需要を考えるときに、どの国をターゲットに据えるべきかというのを把握することは重要です。そこで訪日外国人観光客を国別に見てみましょう。
訪日外国人の国別人数
次のグラフは、日本政府観光局(JNTO)の示すデータを元に2023年の訪日外国人数を多い順に並べたものです。
韓国、台湾、中国、香港、アメリカが上位5か国となります。ただしその後、フィリピン、オーストラリア、シンガーポールなど、英語を話す国の来客数も多いので、言語別にみると最も多いのは中国語、次いで韓国語、英語という風に見ることもできます。
次のグラフは2019年のデータを元に作成したものです。2019年と2023年を比較すると、中国からの訪日数が大きく減っているのが分かります。
その要因の1つとしては、中国政府がコロナ禍により絞った団体旅行先としての日本に対する解禁が他国に比べて遅く、2023年8月だったということがあります。また米中関係の影響もあるかもしれません。
訪日外国人客の旅行消費額
訪日観光客の人数で見ると韓国が一番多いですが、消費額で見ると、2023年は多い順に台湾、中国、韓国、アメリカ、香港の順でした。
コロナ禍前の2019年では中国が圧倒的に多く17,704億円でしたが、2023年の中国の消費額は7,599億円と減っています。上述の通り、中国からの訪日数が大きく減っているためです。
費目別消費額
訪日外国人観光客の消費額内訳を費目別にみると、宿泊費が最も多く34.6%、次いで買物代が26.4%、飲食費が22.6%です。
もちろんこの内訳は、あくまでも現状であって2029年に大阪での開業が予定されているカジノなど、新たなサービスで大きく変えられるものではありますが、現状では宿泊を除けば買物と飲食で日本での消費が行われています。
インバウンド需要が高まっている理由
2013年頃から訪日外国人旅行客が急増していることはお分かりいただけたかと思いますが、ではどうして2013年頃から急増したのでしょうか?
インバウンド需要と円安の関係
2013年頃から訪日外国人数が急増し、また2023年の消費額が過去最高となった背景の1つとして、円安があると考えられます。2012年は1ドル80円という円高でしたが、その後円安が進み、2024年には一時160円を超え、実に2倍となりました。
円安は、外国人にとっては日本での買い物が安くなります。自国で同じものを買うより日本で買った方が安いということで、旅行のついでなのか、買い物が目的の訪日なのか分かりませんが、訪日外国人旅行客による「爆買い」という言葉が生まれています。
和食のユネスコ無形文化遺産登録
2013年に和食はユネスコ無形文化遺産に登録されました。それ以来、和食は世界的にブームとなっており、このこともインバウンド需要が高まった理由とされています。
富士山の世界遺産登録
富士山が世界遺産に登録されたのも2013年です。現在では多くの外国人観光客が富士山を登山していますし、登山をしなくても富士山を見て、撮影を楽しむ人も多いですよね。
インバウンド需要を取り込むSEO対策
それでは、以上を踏まえてインバウンド需要を取り込むSEO対策を考えていきます。
SEO対策を行う言語
SEO対策は、まずターゲットキーワードを考えるところから始まります。外国人ですから、外国語で検索することを念頭に置くべきです。
中国本土からの訪問数は2023年時点で減っているとはいえ、それでもなお消費額は大きく、かつ台湾と香港も中国語ですから、中国語はまず外せないところでしょう。それに加え韓国語と英語にも対応することが望まれます。
中国、台湾、香港は中国語ですが、中国本土は簡体字、台湾と香港は繁体字が用いられます。そのため、中国、台湾、香港のそれぞれをターゲットに中国語でページを作るときは、簡体字と繁体字でそれぞれページを用意するのが一般的です。
HTMLのlang属性を用いる言語に合わせる
ウェブページはHTMLという言語で制作されます。そのHTMLの中のhtmlタグに、lang属性によってそのページで用いる言語を宣言します。こうすることでGoogleなど検索エンジンはそのページが何語で書かれているものかを正しく把握できます。
日本語の場合は、
<html lang="ja">
と書きます。
以下、中国語(簡体字)、中国語(繁体字)、韓国語、英語の場合です。
- 中国語(簡体字):
<html lang="zh-cms-Hans">
- 中国語(繁体字):
<html lang="zh-cms-Hant">
- 韓国語:
<html lang="ko">
- 英語:
<html lang="en">
ターゲットキーワードを決める
ここでは、外国人に人気のスポットの1つである「鎌倉」をテーマとして例を挙げます。鎌倉市は神奈川県にあり、海に面しています。鎌倉大仏があるなど、お寺がたくさんあり、山と海の両方があり、富士山も見える美しいビーチもあります。グルメスポットもたくさんあります。鎌倉の西側は湘南と呼ばれるエリアです。スラムダンクの舞台は湘北高校ですが、冒頭の有名なシーンは鎌倉高校前の踏切がモデルになっています。そのためアニメ好きな外国人も多く訪れます。
宿泊業なら「鎌倉 ホテル」、飲食業なら「鎌倉 グルメ」、お土産屋さんなら「鎌倉 お土産」などがターゲットキーワードとして思い浮かぶかと思います。これらを実際に外国語でどのように検索しているかを探るため、キーワードプランナーなどを用いて検索ボリュームを調べることもできます。
そうして見るとわかるのですが、「鎌倉」という単体キーワードで検索している人の方が、上記で上げたような組み合わせのキーワードよりも多いです。鎌倉に行くことを検討しているのですから、まず鎌倉のこと自体を広く知りたくて「鎌倉」と検索する人が多いでしょう。
もちろん、「鎌倉」で上位を獲得するよりも「鎌倉 ホテル」など組み合わせのキーワードの方が難易度が低いことが多いですが、「鎌倉」で上位を獲得すれば、そこからホテルへの動線を設けるという戦略を用いることができます。
また、「鎌倉 ホテル」で上位を獲得するには、結局のところ「鎌倉」に関する紹介ページを多くサイト内に用意するという方略を取ることになります。例えばホテル近辺の観光スポット、グルメスポットなどを紹介するといったことです。
であれば鎌倉自体を紹介するポータルサイトのようなサイトを作り、そこから自サービスへの動線を設けたり、他サービスも紹介してマージンを得るといったことを考えるのはどうでしょうか。
ビッグキーワードで上位を獲得する方法
それでは、「鎌倉」で上位を獲得するにはどのようなサイトにすればよいでしょうか。それを確認する最良の方法は、実際にGoogleで検索してみることです。以下は2024年5月時点での結果です。
日本語では、Rakuten Travelの「鎌倉観光おすすめ36選!運気UP!グルメや絶景スポット、ロケ地も」という記事ページが1位。
韓国語では、LIVE JAPANという日本を韓国語で紹介するサイトの「가마쿠라 당일치기 여행 – 볼거리, 먹거리, 체험 총정리(日本語訳:鎌倉 1日旅行 – 観光スポット、食べ物、体験まとめ)」という記事ページが1位。
中国語(繁体字)では、1位はwikipediaだったので2位を紹介するとgood Luck Tripという旅行サイトの「【鎌倉推薦景點總整理】造訪鎌倉就是要感受日本古都獨有的街市景觀與歷史氣息!(日本語訳:鎌倉おすすめ観光スポット総集編」鎌倉を訪れると、日本古都ならではの街並みや歴史的な雰囲気を感じることができます!)」という記事ページです。
つまり、「鎌倉」と検索する人は観光地としての鎌倉を広く知りたいという検索意図を持っている人が多い(と少なくともGoogleは考えている)。その検索意図に1ページで応えるページが上位に表示されやすい、ということが分かります。
いずれのサイトも、サイト全体で見れば鎌倉に特化はしておらず、広く旅行に関連するコンテンツを持っています。ユーザーにとって参考になるページを多く持つサイトはサイト全体のSEOの力(ドメインパワー)が強くなりやすく、いずれもその状態にあります。
しかし、そこであきらめる必要はありません。これらサイトほどにページを持たなくても、鎌倉に特化してより充実したサイトを作れば、「鎌倉」であれば、これらサイトより上位に表示される可能性はあります。「鎌倉」に特化し、「鎌倉」に対する専門性を強める戦略です。
鎌倉を総括するページ以外に、
- ホテル紹介に特化したページ
- グルメスポット紹介に特化したページ
- お土産屋さん紹介に特化したページ
- お寺紹介に特化したページ
- 海を楽しむための紹介ページ
- 山散策を紹介するページ
- 写真スポット紹介をするページ
- 移動手段を紹介するページ
- ホテル、お店、お寺などを個別に紹介するページ
などを充実させていき、関連するページ同士はリンクで結びます。「鎌倉」で1位を取りたいページには様々な関連ページからリンクを張ります。トピッククラスターと呼び、詳しくは次の記事で紹介しています。
当然ですが、ターゲットとする言語が日本語でなければ、日本語ではなく、その言語での記事を増やしていく必要があります。
いやいやいや、そんなの日本語だとしても大変すぎるよ、と思ったでしょうか?
次のAIライティングツールを用いると一気に解決します。
AIライティングツールの活用
ChatGPTはうまく活用するとSEOに強い記事を作成できます。しかしそのためのプロンプトのノウハウは簡単ではなく、また一気に作成できるわけではなく手順が必要となり、それなりに時間がかかります。途中で手順を間違えると一からやり直しにもなります。
SEOに強いAIライティングツール「BringRitera(リテラ)」は、SEOコンサルタントである私のノウハウを注入し開発しており、日本語、英語、韓国語、中国語(簡体字)、台湾語(繁体字)、香港語(繁体字)の6言語に対応しています。
例えば「鎌倉」をテーマにしたときにどのような記事を書くと良いかを提案してくれる機能もあります。
クレカ不要で無料でお試し可能ですので、ぜひお試しになってください。
SNSとの連携
SNSはSEOと並んでインバウンドマーケティングとしては重要度が高いです。宿泊業、飲食業、お土産屋さんなどの場合はInstagramとTikTokの運用が重要となります。米国企業のMeta社が運営するInstagramは中国で利用ができず、中国企業が運営するTikTokはアメリカで利用が禁止されています。そのあたりも踏まえて、どのSNSに力を入れるのかを考えるようにしましょう。
まとめ
当面の間、人口の減少が予想される日本において、インバウンド需要を考えることはとても重要です。ぜひ、BringRitera(リテラ)が日本の経済発展に寄与できればと思っています。