SEO

ビッグキーワードで上位も狙えるサイト内リンク構造「トピッククラスター」

サイト内のリンク構造がSEOに大きな影響を及ぼすというのをご存じでしょうか?

検索数が多く競合も多いような検索キーワードをビッグキーワードと呼び、上位に表示させるのは難しいですが、それでも上位を狙う場合はリンク構造の構築方法にセオリーがありますので、ご紹介したいと思います。

ビッグキーワードとは

検索数が多く競合も多いような検索キーワードをビッグキーワードと呼びます。中ぐらいをミドルワード、少ないものをスモールワードあるいはロングテールキーワードという風に呼びます。

上の図では「転職」を例としていますが、本記事では「筋トレ」というビッグキーワードを例に、上位獲得の方法をご紹介していきます。「筋トレ」は本記事執筆時点で55万件/月の検索数があります。

トピッククラスターとは

「筋トレ」のようなビッグキーワードで上位を獲得するには、「胸筋 筋トレ」「背中 筋トレ」「二の腕 筋トレ」「自重 筋トレ」など、そのビッグキーワードとの組み合わせのミドルキーワードないしはロングテールキーワードの記事を多く書き、かつそれら記事からビッグキーワードで上位を狙うページにリンクを張る、というのが有効です。

このような構造をトピッククラスターという風に呼び、上位を獲得したいページを「ピラーコンテンツ」、そこにリンクを張るページをクラスターコンテンツと呼びます。この呼び方はHubSpot社のMatthew Barby氏によって提唱されたと言われています。

サイト内で全く異なるテーマの内容は設けないほうが良いですが、同一テーマ内で複数のピラーコンテンツを設け、それぞれにトピッククラスターを構築すると、サイト全体の評価も高まります。

次の図の例は、「筋トレ」と「ダイエット」をピラーコンテンツとしてトピッククラスターを検討した例です。サイトとしては、パーソナルジムをイメージしています。

「筋トレ」が「胸筋」、「背中」、「二の腕」など部位ごとにやり方が異なるのであれば、それぞれに1ページ割いて記事を書き、それらページとは別に、「筋トレ」について総括する記事を書きます。総括したページと、部位ごとのページ、それぞれに相互リンクを張るというやり方です。

同様に、「ダイエット」の総括した記事と、「ダイエットにおける食事」、「ダイエットにおけるサプリメント」などの記事を1ページ割いて書き、相互にリンクを張ります。

「筋トレ」と「ダイエット」の総括したページからは、当然ですがトップページにリンクされた部分を作ります。

それにより、このサイトは「筋トレ」と「ダイエット」の専門性を有するサイトだとみなされます。具体的には、「パーソナルジム」はこのやり方が有効だと考えます。

ピラーコンテンツの内容

クラスターコンテンツだけを充実させてもビッグキーワードがターゲットキーワードとなるピラーコンテンツのページは上位に上がりません。ピラーコンテンツのページは、そのターゲットキーワード、例えば「筋トレ」であれば筋トレの内容についてできる限り網羅的にすることが望まれます。
とはいえ、クラスターコンテンツの内容をそのまま全部盛り込むのもナンセンスです。重複コンテンツにもなってしまいます。

クラスターコンテンツの内容を広く浅く紹介するような内容とし、詳細はクラスターコンテンツのページを見ていただけるようにリンクを張る、という内容が良いと考えます。

サイト内リンク構造

サイトのコンテンツが多い場合、トピッククラスターに関わらず、ユーザーにとっての分かりやすさを考えてカテゴリーに分けることをしましょう。ただし階層の深さは、これも分かりやすさのため2つまでにします。

カテゴリの上下間、およびカテゴリー同士は相互にリンクを設けます。

これが、SEOに強いサイト内リンク構造の基本です。この基本に則った時、カテゴリーページが上位に表示されることがあります。その理由が、このトピッククラスターモデルの理屈によるものだと考えられます。カテゴリーページは、トピッククラスターモデルにおけるピラーコンテンツの位置づけになるためです。

そのため、カテゴリーページに各詳細ページのリンクだけではなく、そのカテゴリー自体を詳細に説明するコンテンツを設ける、というのも一つの手として考えられますし、実際にそのようなサイトが上位に表示されているのを見たことがあります。

ただ、カテゴリーページは特殊で、一度評価がつくと、コンテンツの内容を変えても評価が変わりづらい傾向にありますので、最初にどうするか決めておくことが肝心になります。

リンクを設ける場所

リンクを設ける場所の種類としては、以下が挙げられます。

  • ページ内リンク
  • パンくずリスト
  • グローバルナビゲーション
  • サイド・フッターリンク
  • HTMLサイトマップ

この中で、最も効果が大きいのは1つめのページ内リンクと呼ばれるものです。具体的には、メインコンテンツの本文の中で、文脈に沿って張られたリンクのことです。

それ以外も効果はあり重要ですが、特に評価を高めたいページがある場合、トピッククラスターモデルを意識して、関連するページの本文中からリンクを張るようにしましょう。

ただし、不自然なほどに張りすぎると、Googleからペナルティを受ける可能性もあるので、自然な範囲で、ユーザの利便性を考えるように留意ください。

まとめ

ビッグキーワードでも上位を狙えるトピッククラスターの考え方についてご紹介しました。
BringFlowerはこのような知見も踏まえてブログ制作代行サービスも行い、サイトを上位に表示させています。

SEO全般に関する記事も書いてます。

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BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月にBringFlowerを開業し、SEOコンサル、デザイン、ウェブ制作を一手に受ける。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。
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