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MUMとは?SEOとの関係

Googleの検索アルゴリズムでMUM(Multitask Unified Model)と呼ばれているものがあります。MUMにより、ユーザーが検索する際の検索意図の把握能力が進化しました。

この記事では、MUMについて詳しく解説するとともに、MUMのことを踏まえたSEO対策についてご紹介します。

MUMとは?

Googleの検索アルゴリズムMUM(Multitask Unified Model)は、2021年9月にGoogle I/Oにて発表された検索アルゴリズムです。MUMは、テキストと画像の両方を理解するアルゴリズムで、75以上の言語を理解し、ユーザーが検索入力フォームに入力した一言では回答が難しいような質問の検索意図を、より的確に把握し、検索意図に合致した応答を返すことができるようになりました。

引用:MUM: A new AI milestone for understanding information

自然言語処理

次のシチュエーションはGoogleが示した一例です。標高、気温、コース難易度、適切な装備など、多角的に回答を示す必要があります。

以前アダムス山をハイキングしたので、今度は富士山をハイキングしたいです。秋になったら、富士山を登るのに、なにか準備が必要ですか?

GoogleのNayak氏インタビュー

Google検索エンジンにこの質問文を入力すると、富士登山オフィシャルサイトの「登山に必要な準備」というタイトルのページが上位に表示されるので、検索意図は理解してくれていますが、このようなウェブブラウジングだと、しばらくブラウジングを続けなければ、答えにたどり着けないかもしれません。そのように、通常のGoogle検索だと複数回検索して答えにたどり着くような複雑な質問に対して、様々な視点で一度に回答を返そうとするのがMUMです。

MUMは、次のような回答ができるようになることを目指していると当時語られています。

富士山とアダムス山の地形とはかなり違うので、富士山の今月の地形に合わせてフィットネストレーニングをした方がいいかもしれません」とか、「富士山はアダムス山よりずっと寒いので、秋の天候に合わせたハイキング用の衣服が必要です」とか。

GoogleのNayak氏インタビュー

しかし、MUMが発表されたのは2021年9月、それから2年と少し経った頃に一般ユーザーにお披露目となったChatGPT。2023年8月時点でChatGPT-4にこの質問をすると次のように答えてくれました。

富士山をハイキングする計画は素晴らしいです!しかし、富士山は日本で最も高い山であり、特に初めて登る場合は十分な準備が必要です。以下は、秋に富士山を登る際に考慮するべきいくつかのポイントです:

登山のタイミング

富士山の主要な登山シーズンは夏であり、多くの山小屋が営業しています。秋になると、天候が不安定になり、登山が危険になる可能性が高まります。また、多くの山小屋が閉鎖されるため、十分な準備と経験が必要です。

準備物

  • 装備: 高品質のハイキングブーツ、防水・防寒具、手袋、帽子、頭灯など。
  • 食料と水: 登山中に必要な食料と、十分な量の水またはスポーツドリンク。
  • 地図とコンパス: GPSと併用するとより安全です。
  • 緊急用具: ホイッスル、応急処置キット、携帯電話(電波が届くか確認して)、予備のバッテリー。

体調管理

高山病に注意が必要です。富士山は標高が高いため、高山病のリスクがあります。

許可とルール

富士山にはいくつかの登山ルートがあり、いずれも管理されています。特定の時期やルートでは、事前に許可を取る必要がある場合があります。

ガイドの利用

経験が少ない場合や、秋に登る場合は、プロのガイドの利用を検討する価値があります。

その他

天候予報をしっかりとチェックし、必要なら計画を変更する柔軟性を持つことが重要です。

このように、富士山は登るにはそれなりの準備と注意が必要です。特に秋には、より慎重な計画と準備が求められますので、しっかりと計画を練ることをお勧めします。

まさにMUMの目指した内容ではないでしょうか。

言語の壁を超える

富士山の情報を得るのに「富士山」と日本語で検索しないと情報が得られづらいのが、MUMにより、各国の言語で検索しても情報が得られるようになります。

画像の内容を理解し、テキストと画像で検索できるようになる

MUMは画像の内容を理解し、テキストと画像で検索ができるようになります。例えば登山靴の写真を撮って、「これを使って富士山に登山できますか?」というような検索ができるようになります。

MUMのその後

MUMが発表された2年前の2019年にはBERTと呼ばれるAIアルゴリズムが発表されており、MUMはその1,000倍の性能とのことでした。そのMUMが発表されたのが2021年5月。
そして2023年の5月にはSGEが発表されました。

SGEというのは、検索結果画面の上部に生成AIによる回答結果を示すというものですが、それにMUMが活用されています。SGEは現在米国ユーザーが試験的に利用ができる段階です。つまり、MUMはSGEによって一般ユーザーが試せるときが今来ているということになります。

なお、ChatGPTと似た位置づけのGoogleのAIチャットボットであるBardは、MUMは使われておらずPaLM2という技術が使われています。MUMは複数の単語をもとに回答を予測するという技術になっているので、自然言語によるインプットには向いていないのかもしれません。

活用サービス活用されているAI技術
RankBrainBERTMUMLaMDAPaLM 2
検索エンジン××
SGE×××
Bard××××

今後のAIアルゴリズムとSEOについて

AIはコンピューターのCPU、TPUの性能に依存しますが、そのハードウェア性能はまだまだ急激な向上をしていますので、今後益々、AIアルゴリズムの発展は見込むことができます。

AIにより一般的な回答は得やすくなり、今後SEOにおいては、SGEからのピックアップのされやすさや、一般的な回答に留まらないオリジナリティーのある内容が求められると予想されます。

このように今後のSEOは、AIの発展により変わるでしょう。その動向をBringFlowerと一緒に追いながら対策を考えていきましょう。ご相談お待ちしています。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月に独立後、2024年4月に株式会社BringFlowerを設立。SEOコンサルを活動の軸に据えつつ、AIライティングツールの開発と運営を自ら行う。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。