SEO

ホームページのSEO対策として「やってはいけない」ことと「やる意味がないこと」

前職でCMSを提供し、1000以上のホームページ運用に関わる経験をしてきた中で、お客様から「検索順位が上がらない」などのSEOに関わる相談を受けることが多くありました。

まず大抵そういうケースは、SEO対策の基本的なことができてないのでそれを改めてお伝えするのですが、「やってはいけないこと」をしてしまっているケースもあります。

ここではSEO対策として「やってはいけないこと」についてご紹介します。

SEOにおける「プラスの対策」と「マイナスを0にする」対策

SEOには大きく分けて、プラスの加点を得るための対策と、Googleからマイナスの評価を受けないようにする対策があります。

マイナスの評価については、余計なことをしてなければ気にしなくて大丈夫なのですが、「ユーザーに焦点が当たっていない」ことをしている場合、評価を下げられるリスクが非常に高いです。悪質なレベルだとGoogleにみなされればペナルティを受けてしまい、まったく検索に引っかからなくなるという状態になってしまうこともあります。そうなってしまうと、ペナルティを外すために多大なコストがかかります。

「ユーザーに焦点が当たっていない」ことは、SEOとしてもやめるべきなのです。Googleは「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」の理念を先頭に掲げています。以前は通用した小手先のテクニックも、技術の進歩によって見破られるようになっています。

やりがちな「やってはいけない」こと

それでは、やりがちな(よく見る)やってはいけないことをご紹介します。

重複コンテンツ

他のサイトとコンテンツが重複している場合にGoogleは後から掲載されたコンテンツについて、上位に掲載しないようにします。重複コンテンツがあまりに多いと、サイト全体の評価が下げられてトップページさえ上位に表示されなくなりますし、さらにひどくなるとペナルティを受けることもあるようです。
この重複コンテンツが評価を受けないというのは以前からあったのですが、私の経験的に、ここ最近傾向が強くなっているように思いますので、特に注意してみていく必要があると考えています。

重複コンテンツの具体例

以下に、重複コンテンツの例を挙げます。

コピーしてできたような似たようなサイトを持ってしまっている

検索順位上位の独占を狙ってわざとサイトを複数持つ、ということをしようとしても、独占はできないようになっています。そのようなことをされると、ユーザーはそれぞれを見なくてはいけなくなってしまいますし、両方に同じ内容が掲載されていれば、徒労に終わります。そのようなユーザーのためにならないことは減点対象というわけです。

意図せず古いサイトを残してしまっているケースであっても後から掲載したサイトは順位が上がりません。

他のサイトのコンテンツを真似ている

参考にしている程度の重複なら大丈夫ですが、大量に真似たり、そのままコピーしているようなコンテンツは上位に上がりませんし、大量にあればサイト全体の評価が下がります。

重複コンテンツ扱いの回避策

まったく同じ商品を異なる会社がそれぞれに販売する、ということはよくあります。不動産においても、自社が管理する物件/売却を委託された物件を他社に紹介してもらう、ということはよくあることです。そのような場合、複数のサイトに似たようなコンテンツが掲載されることになりますが、それで問題になったケースは聞いたことがありません。

おそらくは、Googleは以下のようなことを見ていると思います。

  • 同一の会社か?(会社情報の一致性)
  • 他のサイトからコピーしたような内容か?(タイトル、見出し、その他の文言などが全く同じかどうか)

もしどうしても、自社で複数のサイトに似たようなコンテンツを掲載する場合は、

  • 会社概要は両方のサイトに掲載するのではなく、一方のサイトからもう一方のサイトの会社概要にリンクを張る
  • 位置づけの違いをタイトル、見出しや、中身の文章で説明する

などしておくのが無難だと思います。ただ、原則としてできるだけ重複コンテンツを掲載するのは避けるべきです。

また、当該ページが評価されることはなくなりますが、それでよければcanonicalタグで正規のページを宣言するという方法があります。当サイトでは、デザインのサンプルを示すページにおいて、掲載している内容はトップページの内容と同じであるため、この方法でトップページが正規であると宣言しています。

同一サイト内での重複について

同一サイト内での重複は、ペナルティを与えられることはおそらくありません。ただ、やはり後から掲載されたページ、ないしは、メインとみなされたページ以外は評価を下げられます。そうでないと、ユーザーが検索した際に、全く同じページが上位を独占するということになってしまいます。

ページに違いがあれば、それを明確に見出し要素「h1」で示すというのがひとつの回避策になります。

ただ、h1だけ異なるページが大量にあるような場合には、評価の分散も起こります。その類のページが1ページしかなければ、そのページに評価が集中するのに対し、似たようなページがたくさんあれば、評価が分散してしまうということです。やはり、ページ内のメインコンテンツはh1の内容に合わせて異なっていないと、なかなかすべてのページが上位に表示されることはありません。

そのあたりも踏まえてどのようにページを用意するか検討するのがよいでしょう。当方は、このようなことも考えての対策を練ることが可能です。

重複コンテンツの調べ方など、重複コンテンツに関してのより詳細な記事も書いてますので、よろしければご参照ください。

被リンクの自作自演

他のサイトからリンクを張られること(被リンク)は、現在でも評価に強い影響があると言われています。このことから、リンクを張るビジネスや、自社でいくつもサイトを作って、評価を受けたいサイトへのリンクを張る、といったことが通用した頃がありましたが、そのようなことをすると現在は、ペナルティを受けてしまいます。

リンクを張られるということは、そのサイトが参考になるということで、信頼性の指標にはなるため、自然と張られるリンクは評価を高めることなります。リンク元のサイトの信頼性が高いほど効果があります。

意図的に張られたリンクであったとしても、知り合いのサイトにリンクを張ってもらうなど、その程度であれば問題にはならないかと思います。評価の高い中古ドメインを買って、そこからリンクを張るという手段もあるようですが、そのサイトの価値を維持することが前提となりますし、そのドメインの履歴、過去の被リンク状態など考えることも多く、簡単な話ではありません。

キーワードの詰め込みすぎ

titleやh1にキーワードを詰め込みすぎると、1つのキーワードに対する評価も分散されて薄まってしまうだけでなく、ユーザーにとってわかりにくい文章になっていると評価を下げられてしまうこともあり得ます。

titleとh1は、ターゲットワードを意識して決めることがとても大事であるとともに、あくまでも、そのページの内容が端的に分かりやすく示されているか、ということも大事です。

titleとh1が何か分からない方はこちらのページをご覧ください。

アフィリエイトだけを目的にしたサイト

アフィリエイトだけを目的にしていたとしても、ユーザーにとって有益な内容であれば上位に表示されますが、ただGoogleに目をつけられています。クリックさせることを目的としたサイトという表現で、批判しています。どういうケースが良くないかと言うと、少しスクロールすると広告が表示されるサイトなど最近よく目にするかと思います。見ていて煩わしいですよね?

GoogleはUXをSEOにおいて重視しています。クリックさせることを目的とした設計は、評価をこれからどんどん下げられる方向に向かっていくと私は考えます。

隠しテキスト

以前は、検索キーワードがページ内に多く用いられている方が、単純にそのページが上位にくるようになっていました。その頃に、ユーザーに見えない形で検索キーワードをページに配置するという手法が用いられました。その後、そのようなことをするとペナルティを受けるようになりました。

ペナルティを受ける恐れのある行為としては以下が挙げられます。

  • 背景色とテキスト色が同じ
  • CSSで画面の外に配置している
  • CSSでfont-sizeを0にしている

1か所ある程度ではペナルティは受けないようですが、意図的だと判断される程度に存在するとペナルティを受けることになります。

そもそも、現在は「検索意図に沿っているかどうか」で評価されるので、ペナルティを受けなかったとしても、ユーザーにとって煩わしい内容が多く記載されて評価が上がることはありません。

現在は、仮に検索に用いられたワードがそのページになかったとしても、そのページが検索意図に沿っていれば上位に表示されます。

やりがちな「やる意味がない」こと

meta keywords(メタキーワード)

「meta keywords」は以下のようにHTMLに記述するもので、以前は意味があったのですが、今はGoogleが意味がないことを明言しています。

<meta name="keywords" content="キーワード1, キーワード2, キーワード3">

今のところ、これを記述しているからと言って評価が下げられることはありませんので、あえて書くようにしている業者もみかけますが、もうこのレベルでGoogleが分析することはあり得ないと考えますので、無駄な記述であり、見た人に無知であると思われるだけなので、私は書かないようにしています。

まとめ

SEO対策の基本は、ユーザーにとって有益なコンテンツをつくることです。具体的な施策についてのご相談はこちらからお願いします。

著者のイメージ画像

BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月にBringFlowerを開業し、SEOコンサル、デザイン、ウェブ制作を一手に受ける。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。