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検索意図とは?考え方と調べ方をつかんでSEO対策

検索意図をつかんで記事を書くというのは、その記事での検索上位を狙ううえでとても重要な要素です。Googleが公開している検索品質評価ガイドラインを読み解くと浮き彫りになる3つの評価軸のうちのひとつ、Needs Metで高い評価を受けるために必要となります。

ここでは、Needs Metで高い評価を受けるためにまず理解すべき「検索意図とは何か?」「どのようにして把握すればよいか?」について解説いたします。

検索意図とは?

検索意図とは、ユーザーが検索エンジンを用いて検索しているときに達成したいと思っていることを指します。
ユーザーは検索するからには、検索意図を満たしたいと思っています。そのため、検索エンジンはそれに応えられるように進化を続けています。検索しても検索意図に応えてくれないようなサイトが上位に表示されていると、ユーザーはその検索エンジンから離れていってしまいます。

Googleが公開している文書に検索品質評価ガイドライン(General Guideline)があり、その中でNeeds Metという言葉が用いられており、検索意図に合致しているかどうかを評価の軸にしていることが読み取れます。

Needs MetのGoogleの考え方については別で記事を書いています。

Needs Met(ニーズメット)とは?GoogleのSEO評価基準の一つを解説

例えば、「車 塗装 DIY」で調べていたら、検索意図は「車を自分で塗装する方法を知りたい」である、ということはほぼ明白ですね。ちなみに「車 塗装 DIY」は執筆時点での検索ボリュームが3,600/月です。

一方で、「車 塗装」で検索している人の検索意図はなんでしょうか?この検索ボリュームが執筆時点で12,100/月です。

検索意図は、一つとは限りません。この場合、「車を自分で塗装する方法を知りたい」という人も含まれるかもしれませんし、「車の塗装にかかる費用を知りたい」「車の塗装でどのくらい綺麗に直るのか知りたい」などの検索意図も考えられます。

検索意図を満たすには?

検索意図を満たすには、当たり前ですが、まずはその検索キーワードの検索意図をつかむ必要があります。記事を書いてコンテンツSEOを実施する際には、まずターゲットキーワードを考え、次にその検索意図をつかみ、検索意図に応える内容を考えるというステップを踏みましょう。

SEO対策において検索意図をつかむことの重要性

Googleは検索品質評価ガイドライン(General Guideline)の中でNeeds Metという評価ガイドラインを示しており、検索意図に合致しているかどうかを評価軸としています。検索意図に沿った内容だと上位に表示されるというのは然るべきGoogleの考え方が反映されています。みなさん、検索しても検索の意図に合わない内容が上位に表示されていたら嫌ですよね?

とあるブラウザのデフォルト検索エンジン(Googleではない検索エンジン)は、「Googleアナリティクス」と検索してもGoogleアナリティクスのページが上位に表示されません。今確認しましたが、今でもそのようです・・何故かGoogle広告のページが1位です。私のそのときの検索意図は「Googleアナリティクスを使いたい」です。検索意図が満たされないということがわかったので、それ以来、その検索エンジンを使うことはなくなりました。

これは、例えて言うならばGoogleで「Windows」と検索してもMicrosoftのWindowsに関する情報が上位に表示されず、一般的な窓の「Windows」に関する情報が上位に表示されるようなものですが、Googleはそんなことしてません。

検索意図に沿った内容を上位に表示させることで、ユーザーはより、Googleを使おうという気になるため、Googleは検索意図に沿った内容を上位に表示させることに集中しているものと思われます。

Googleの理念の先頭は「ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる」です。

Googleアルゴリズムの検索意図を把握する能力の向上について

検索意図のことを考える上で、これまでのGoogleの検索意図を把握する能力の変遷を知っておくことも重要です。

自然言語が持つ曖昧さについて

まず、普段私たちが会話で用いる自然言語と呼ばれるものが、いかに曖昧さを持つかということを知っておきましょう。

黒く大きい目の猫

この文章の意味は、以下のどちらともあり得ます。

  • 大きな目を持つ黒い猫
  • 目が黒く、その目が大きい猫

私たちは、過去の経験、発話のイントネーションや表情、前後の文脈、雰囲気、視覚的情報など様々な情報を元に、脳内で意味の特定を行っています。

この例で言えば、黒い猫は目が黄色いという記憶も踏まえて、「大きな目を持つ黒い猫」という意味だという風に無意識のうちに捉えます。

これを、現代においてはGoogleはアルゴリズムで特定しようとしているのです。

検索意図をキーワード(単語)で把握していた時代

以前は、ページ内にキーワードが多く含まれているほど上位に表示されやすいという時代がありました。その頃、Googleは検索意図について、キーワードでしか把握できていなかったわけです。

2015年:AIアルゴリズム「RankBrain」導入

「RankBarin」はGoogleが初めて検索エンジンのアルゴリズムにAIを採用したものです。これにより、様々な情報をもとに自然言語を理解するようになりました。

食物連鎖で最上位の消費者とは

という検索があったとしたときに、それまでは「消費者」というのは「人」だと判断していたのが、「人とは限らない」ということを理解できるようになりました。

2019年:AIアルゴリズム「Bert」導入

「Bert」の導入によって、自然言語の理解力は飛躍しました。単語を並べるという検索方法において有効で、

薬局 誰か 受け取り

という検索があったときに、「誰か」というのが本人以外であるということを理解できるようになりました。

参照:Google 検索を支える AI 技術

検索意図の4分類

Googleは検索意図を4 new moments every marketer should knowの中で、「知りたいとき」「行きたいとき」「何かをしたいとき」「買いたいとき」の4つに分類して提唱しています。これに、「指名検索」を加えて計5つ、それぞれ解説していきます。

Is freshness an important signal for all sites?

知りたいとき

「~を知りたい」という検索意図があるキーワード(クエリ)をKnowクエリと呼びます。

例えば以下のようなKnowクエリが例として挙げられます。

Knowクエリの場合、ユーザーは答えを求めています。

そのため、その検索キーワードに対する答えが記事に含まれているか、正しい情報が丁寧に記載されているか、といったことが大切となってきます。

Knowクエリは検索されている数が多い傾向で、問い合わせや商品購入などのコンバージョンに直結はしづらいですが、その分、そのキーワードを狙った記事が少なくなるため、比較的検索上位を狙いやすいと言えます。

Knowクエリの検索意図を満たしたページを増やすことで、結果的にはサイト全体の評価が高まり、問い合わせや商品購入などに直結しやすい検索キーワードでも上位に表示されやすくなります。

行きたいとき

「~に行きたい/到達したい」という検索意図があるキーワード(クエリ)をGoクエリと呼びます。

例えば以下のようなGoクエリが例として挙げられます。

たどり着きたい場所が決まっているような検索キーワード、例えばYouTubeを見たいと思って「YouTube」と検索するというような検索キーワードは「指名検索」とも呼ばれ、その言葉がよくある言葉や有名なブランドなどと被っていない限り1位に表示されるのはそれほど難しいことではありません。

しかし、「東京 水族館」のような検索キーワードの場合は、対策を考える競合も多くなり、エリアが広いほど上位獲得は難しくなります。

また、Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)に登録し、検索結果画面の上部に表示される地図に表示されるようにする、という対策も望まれます。

なお、「東京 水族館」は、Knowクエリでもあると言えます。そのように、ここでご紹介する4つの検索クエリ分類のうち、検索クエリはどれか1つにだけ当てはまるというものではありません。

何かをしたいとき

「~したい」という検索意図があるキーワード(クエリ)をDoクエリと呼びます。

例えば以下のようなDoクエリが例として挙げられます。

このような検索キーワードは特定の行動を起こすことを考えているため、企業としては設定するコンバージョンに直結する場合が多いと言えます。その分、対策をする企業も多くなり、上位表示は難しくはなります。

まずは、比較的上位表示が簡単なKnowクエリから対策をして、サイト全体の評価を高めてからコンバージョンに直結する検索キーワードを狙う、という方法があります。

買いたいとき

「~を買いたい」という検索意図があるキーワード(クエリ)をBuyクエリと呼びます。

例えば以下のようなBuyクエリが例として挙げられます。

このような検索キーワードも、Doクエリと同様、企業としては設定するコンバージョンに直結する場合が多いと言えます。Doクエリと同様の対策が望まれます。例えば、「中古車」の共起語を調べると「中古車 注意点」「中古車 選び方」などが出てきますので、そのような記事を書いていくなどです。

指名検索

上記4つ「知りたいとき」「行きたいとき」「何かをしたいとき」「買いたいとき」のどれにでも当てはまり得ますが、指名検索はターゲットワードを考えるという文脈においては関係がないという意味で、あえて分けてここで明示しておきます。

ここで言及するならば、会社名、屋号などを考える際は、指名検索で自サイトにたどり着きやすいか、ということを念頭に考えた方が良いと言えます。英語版Googleで「Apple」と検索したら何が1位に表示されると思いますか?そうやって検索する人のおそらくほとんどが、「りんご」のAppleではなく「Apple社」の情報を探しているので、GoogleはApple社のサイトのみならず、Apple社関連のページを上位に表示します。これはApple社だからそうなのであって、日本で「りんご」という会社を今設立しても、しばらく果物の「りんご」には検索結果で勝てないでしょう。そもそも、「りんご」という社名が商標的にApple社に対してどうなのか、という話は私は知りませんのでご承知おきください。

検索意図の3分類

現在はGoogleの考えが反映されるであろう上記4分類で考えるのが一般的ですが、以前は以下の3分類が一般的な考え方としてあったのでご紹介します。なお、この考え方は2002年にAndrej Broderにより発表された「A taxonomy of web search」の中で述べられているものです。

情報型(Informationnal Intent)

ユーザーが特定のトピックや質問に関する情報を求めている場合です。例えば、「地球温暖化の影響」と検索する人は、このトピックに関する詳細な情報を探しています。

案内型(Navigational Intent

案内型は、ユーザーは特定のウェブサイトやページに直接アクセスしようとしている場合です。たとえば、「Facebookログイン」と検索する人は、Facebookのログインページを探しています。先ほどご紹介した指名検索と現在呼ばれているものがこれに近いと言えます。ただ、氏名検索は特定の名称で検索している場合を指すのに対して、案内型は必ずしも特定の名称を使っているとは限りません。

取引型(Transactional Intent)

オンラインで何かを購入する、サインアップする、ダウンロードするなどの具体的な行動を起こすことを意図した検索です。例えば、「最新のiPhoneを購入」という検索は、商品の購入に関する情報を探していることを示しています。

検索意図を考える上でも忘れてはいけないE-E-A-T

Googleの評価軸にはもう一つ、E-E-A-Tと呼んでいる信頼性を中心においたものがありますので、その点はご留意ください。いくらページの内容がユーザーの検索意図にマッチしていても、その内容が真っ赤な嘘ではユーザーにとって有益ではないので、極端な話そういうことです。

検索意図に含まれる顕在ニーズと潜在ニーズ

一般的なマーケティングやUXデザインの専門知識としても重要なものとして、顕在ニーズと潜在ニーズというのがあります。それでよく例えに用いられるのが海に沈んだ氷山です。目に見えている部分は氷山の一角でしかなく、多くの部分は海の中に沈み隠されているのだということの例えです。

海に沈む氷山

潜在ニーズを考えることのメリット

例えば「ダイエット方法」で調べた人が、最初は食について調べるつもりはなかったのに、調べているうちに「美味しいダイエット食」に興味を持つといったことはあるでしょう。そうなるためには、そのページは「ダイエット方法」に関する情報がまず充実している必要があり、そのうえで、「美味しいダイエット食」の情報も提供する、という形を取らなければなりません。

「美味しいものを食べながらダイエットしたい」というのはある意味当たり前のことともいえるかもしれせんが、このケースでいえば「ダイエット方法」を考えていた人にとっての潜在ニーズにあたります。

ある検索ワードの検索意図を考えた時に、顕在ニーズは多くの人が想像できるため、その検索意図だけを満たそうとしても他の記事と似通ってしまい、上位に表示されませんし、最悪重複コンテンツとみなされて検索結果から除外されてしまうこともあり得ます。

一方で、潜在ニーズというのは、人の深層心理にまで迫ったようなものを指しますので、そこまで考えて記事を書くと、他の記事よりも役立つ情報になりやすく、上位に表示されやすい記事になると言えます。

潜在ニーズの探し方

あらためて「ダイエットしたい」という顕在ニーズに関して考えてみます。
どうしてダイエットしたいのかというと、人によるとは思いますが、

  • 健康を維持したい
  • 見た目を良くして異性にもてたい
  • 着たい服が着られるようになりたい

などが考えられます。潜在ニーズというのは深堀して考えていくものです。例えば、どうして「健康を維持したいのか?」も考えます。そうして考えていくと、「長生きしたい」や「幸せになりたい」などというある意味当然な答えにいきつくのですが、そうなる前のところまで考えます。「健康を維持したい」のは、「家族のため」でもあるかもしれません。

次のグラフは、ロングテールキーワードについて解説した記事で示したものです。

この中で、「吉祥寺 ランチ ひとり」は、「ひとりで吉祥寺でランチしたい」という顕在ニーズが読み取れますが、どうして、この検索ワードで調べているでしょうか?

  • 周りの目を気にしなくても済む環境が良い
  • 一人で座っても問題ない席(カウンターなど)を求めている
  • うるさくない落ち着いた環境で仕事がしたい

などが考えられます。


次に「吉祥寺 ランチ 穴場」を考えてみます。穴場ってなにか?なんで穴場が良い?という問題です。

  • 有名なところは行きつくしたから、知られてないところを見つけたい
  • 知られてないところに彼女を連れて行って喜んでもらいたい
  • 混んでないところがいい

などが考えられます。どうして「知られてないところを見つけたい」かというと、色んなお店を楽しみたいとかでしょうか。


「ドリルを買いにきた人が欲しいのはドリルではなく『穴』である」

引用:レビット著書『マーケティング発想法』(1968年)

これはマーケティング業界で有名なフレーズです。
私もDIYをやるために電動ドリルを持っています。でも、私が真に欲しているのは「穴」ではありません。もしそれが何であるか、気になる方は次の記事に詳しく書いてますのでそちらもぜひご覧ください。

UXとは?なにをすればいいの?メリットは?

季節によっても変わり得る検索意図

後述の「Googleで検索して上位表示を見る」という方法で検索意図を確認すると、季節によっても検索意図が変わっていることが分かることがあります。

例えば「クリスマスツリー」を夏の時点で検索すると、クリスマスツリーを購入するためのサイトが出てくるのに対して、冬のクリスマス前の時期だと、クリスマスツリーが見られる名所が上位に表示されるという具合です。

家の中にあるクリスマスツリー
クリスマスツリーを買いたい
冬景色を彩るクリスマスツリー
クリスマスツリーを見たい

検索意図の調べ方とつかみ方

検索意図の調べ方には以下の方法があります。

  • Googleで検索して上位表示ページを見る
  • 誰が検索しているか?を意識する
  • ChatGPTに聞いてみる
  • 共起語を調べる
  • その検索キーワードと一緒に使われているワード(サジェストキーワード)を調べる
  • 再検索ワードを見る
  • バーティカル検索から読み取る
  • ユニバーサル検索から読み取る
  • Q&AサイトやSNSでの書き込みを探す

Googleで検索して上位表示ページを見る

これが最も確実で、簡単な方法です。繰り返しですが、Googleは検索意図に沿ったページを上位に表示させています。なので、対策したい検索キーワードで実際にGoogleで検索し、上位に表示されたページに検索意図が表れていますし、そもそも、Googleで上位に表示させたいなら、どういうページをGoogleが上位に表示させているかを知っておくべきなのは当然です。

この際、上位10位以内のサイトを全て見ることをおすすめします。
また、見るポイントとしては、記事の構成、見出しの使い方、写真の使い方などがあります。

注意として、そのまま真似ないことです。それをすると重複コンテンツとしてGoogleに扱われ評価が下げられますし、そもそも著作権に抵触する恐れがある行為です。あくまでも参考にするために見てください、ということです。

例として挙げた「吉祥寺 ランチ ひとり」で調べてみます。

当記事の執筆時点1位はタイトルが『吉祥寺のおすすめランチ!おひとり様でも入りやすいお店9選』で、一部分だけ引用すると次のような写真が使われています。

一人でゆっくり過ごせそうな空間ですね。実に検索意図を満たしていそうです。

次に「吉祥寺 ランチ 穴場」で調べた時の執筆時点1位タイトルは『【吉祥寺】地元民の本当は教えたくない美味しいランチ10選」』でした。この検索キーワード「吉祥寺 ランチ 穴場」で検索した人は、そういうのが知りたいはず、ということがわかります。
(まったくもっての余談ですが、この記事で紹介されているお店は有名店も含まれてました)

Googleが長年分析を続けているわけですから、検索意図を分析する能力はすさまじいものがあるはずです。おそらくは、サイトでの滞在時間や、サイト内での操作(スクロール、クリック)なども見ているでしょう。プライバシーの問題で実現されてないでしょうが、スマートフォンのカメラ使って目線や表情を見るなどということまでGoogleは考えたことはあるはずです。という余談はさておき、検索結果画面でタイトルをクリックしてもすぐ離脱したサイトは検索意図に沿ってないと判断できます。なので、タイトルと中身が一致してないサイトは上位に表示されません。

誰が検索しているか?を意識する

誰が検索しているキーワードか?を意識します。

例えば「お店 予約」だとお店を予約したい人が検索していて、「お店 予約システム」は予約してもらえるようにしたいお店の人が検索しているということが、実際に検索して上位に表示されているページを見ることで読み取れます。

この場合、予約システムを提供したい事業者は、「お店 予約」をターゲットキーワードにおくべきではありません。

「お店 予約」の検索結果
「お店 予約システム」の検索結果

ChatGPTに聞いてみる

2022年11月に登場したAIチャットのChatGPT。検索意図を調べるのにも使えます。

「吉祥寺 ランチ 穴場」でGoogleで検索している人が知りたいことは何?

と聞いてみた結果が次の通りです。

「吉祥寺」は東京都三鷹市にある人気のエリアで、多くのレストランやカフェがあることで知られています。検索クエリ「吉祥寺 ランチ 穴場」を使って検索している人は、以下のようなことを知りたいと思っているかもしれません。

  • 吉祥寺で美味しいランチが食べられる穴場のお店はどこか?
  • 安くて美味しい吉祥寺のランチスポットはどこか?
  • 人気のない、けれどおすすめの吉祥寺のランチ店はどこか?
  • 吉祥寺のランチで混雑を避けるためにはどこに行けばいいか?
  • 吉祥寺の中でも、特にローカルな穴場スポットでランチを楽しみたい。どこがおすすめか?
ChatGPT

ただ、吉祥寺は「東京都三鷹市」ではなく「東京都武蔵野市」ですけどね・・。たまにChatGPTは間違うということも情報として出てきているので(2023年2月時点)、その点は注意が必要ですが、ただChatGPTはウェブ上の様々な情報源をもとに分析した結果を返してくれるので、この質問の仕方で、参考になる情報が得られることも多いでしょう。

共起語を調べる

共起語というのは、検索キーワードで上位に表示されたサイトの中で多く用いられているキーワードです。共起語を調べる方法としては、「サクラサクラボSEOツール」、「ラッコキーワード」などがあります(※)。

例えば、「沖縄 航空券」で共起語を調べると、「予約」「格安航空券」「片道」などが出てきます。「予約したい」「格安で行きたい」「片道だけ探したい」というニーズが把握できます。

※「Googleキーワードプランナー」も関連性高いワードというのを出しますが、根拠が示されてないので共起語なのか、次の項でご説明するサジェストキーワードなのか、なんなのかよくわかりません。

その検索キーワードと一緒に使われているワード(サジェストキーワード)を調べる

ターゲットとする検索キーワードと一緒に使われているキーワードを調べる方法があります。そのようなキーワードをGoogleは検索の入力ボックスでサジェスト表示するので、サジェストキーワードと呼びます。例えば「吉祥寺 ランチ 穴場」で試すと、「吉祥寺 カフェ ランチ 穴場」という検索キーワードが一定数あるために、そのようにサジェストされました。これにより、カフェの穴場を知りたいというニーズがあるというのがわかります。

共起語よりもサジェストキーワードの方が、より広く、意外なキーワードまで見つかりやすいとは言えます。「沖縄 航空券」のサジェストキーワードを調べると、「安い時期」「レンタカー付き」などが出てきます。

サジェストに表示させるサービス
Google広告は事業者がGoogleに広告費を支払って表示されるものであるのに対し、サジェストは多くの人が用いるキーワードが表示されるため、ユーザーからすると信ぴょう性がある、ということがあると思います。
しかし、サジェストを表示させるという有料サービスがあります。サジェストは多くの人が検索すると表示されるので、意図的に多くの人が検索しているという状態を作り上げるサービスです。これはGoogleからすると防ぐのが難しいということもあるかもしれませんが、サジェスト表示のサービスがGoogle広告での掲載を認められていることから、少なくとも規約違反という判断は今のところされてないようです。
なのでユーザーとしては、違和感のあるサジェストワードがあれば、そういうことかなと勘繰りましょうという話です。事業者の方は、もしご興味あれば、サジェスト表示されたときだけ報酬が発生する成果報酬のサービスをご紹介可能なので、お問合せください。

再検索ワードを見る

再検索ワードは、例えば「吉祥寺 ランチ 穴場」で検索した人が、改めて検索したときに用いたワードのことです。検索結果画面で「他の人はこちらも質問」という表記か、あるいは下の方に表示されることがあります。

「吉祥寺」の検索結果画面一部
「吉祥寺 ランチ 穴場」の検索結果画面一部

「吉祥寺 ランチ 穴場」で検索したときの下の方の表示を見ると「吉祥寺 ゆっくり 話せるランチ」などと出てくるので、「穴場」の定義として、そういうところを求めている人が一定いるということの確認もできますし、一方で「吉祥寺 ランチ 安い」というのもあるので、「安さ」が「穴場」であるという風に考えている人もいそうだ、ということも分かります。

バーティカル検索から読み取る

バーティカル検索とは、Google検索結果画面の検索窓の直下に表示されているカテゴリーや検索ワードのことです。

「検索意図」で検索すると先頭から順番に「画像」「SEO」「分析」「分類」「ツール」「深堀」「ニュース」「動画」「書籍」という風に表示されます。

「料理 レシピ」で検索すると先頭から順番に「動画」「画像」「簡単」「人気」「一覧」「人気ランキング」「アプリ」「初心者」「サイト」と表示されます。

以前はここは、「画像」「動画」「地図」「ショッピング」「ニュース」などのカテゴリーのみ並んでいましたが、今はカテゴリーとキーワードの両方が並列して並びます。

「画像」をクリックすると画像検索になり、「簡単」をクリックすると「料理 レシピ 簡単」で検索します。

ここには、検索キーワードに対してユーザーが望んでいるとGoogleが判断しているカテゴリーあるいはキーワードを表示していますので、ここからも検索意図を読み取ることができます。

「検索意図」と「料理 レシピ」の2つで比較して見ると、「検索意図」はSEOを気にしている人が多いことが、「料理 レシピ」では動画を見たいと考えている人が多いことなどが読み取れます。

ユニバーサル検索から読み取る

ユニバーサル検索とは、検索結果画面に出てくるウェブサイトへのリンク以外の表示のことです。リッチリザルト、ナレッジグラフなどとそれぞれに呼称がありますが、その総称がユニバーサル検索です。

例えば「大谷翔平」で検索すると、色々と出てきますね。

Q&AサイトやSNSでの書き込みを探す

Yahoo!知恵袋などで検索してみると、リアルな深層の心理まで語られていることがあります。この手のサービスは、質問者が納得し、根本的に解決するまでやり取りが続くことがあるので、貴重でリアルな情報が得られることもあるでしょう。

例えば「沖縄 航空券」でYahoo!知恵袋で調べると、見つけたホテル一式パックが妥当な金額なのか、時期によって違うからかが分からなくて不安というような書き込みがありました。

それにより、「時期による相場の違いを知りたい」というニーズがわかります。

検索意図をつかみ上位に表示される記事を書くためのコツ

ペルソナを設定する

ペルソナというのは、できるだけ具体的な人物像を描き出し想定することです。
ペルソナはUXデザインの分野において提唱されてきた考え方で、ターゲット像を明確にせず、あの人もこの人もとターゲットに含めて考えていると、誰のためのデザインでもなくなる、ということが往々にしてあったりするため、具体的にペルソナを設定し、優先順位を立てることが重要とされています。

  • 年齢
  • 性別
  • 職業
  • 家族構成
  • 生活において望むこと
  • 性格
  • ITリテラシー

などなど、定めていくものです。
(私はUXデザインの資格である人間中心設計専門家という資格を9年間所有した歴もあります)

ウェブライティングにおいてここまでやる必要はないと私は思いますが、ある程度、記事を見る人を具体的にイメージし、その人が自分が書いている記事で満足するかどうかを考えながら書き、書き終わったら、ペルソナをイメージしながら見直してみることが望まれます。

  • 何を知りたくてそのページを見るのか?
  • そのページを見るときはどういう状況なのか?
  • 何ができれば目的が達成されるのか?
  • スマートフォンで見るのか、PCで見るのか?

あたりをイメージしながら書くとよいでしょう。

例えば、パーソナルジムのサイトで、トレーニングの内容を書くとします。このとき、考えられるペルソナはざっと上げるだけでも

  • スポーツのために実践的な筋肉をつけたい大学生
  • 健康的にダイエットしたい20代女性
  • 自己研鑽の意味合いが強い50代男性、隆々の筋肉をつけたい

など。

まだまだ考えれば色々あると思いますが、同じ「地域名 パーソナルジム」で調べている人でも、ペルソナによって潜在的な検索意図は変わってくると思います。そして、全てターゲットにするとしても、優先順位をつけることで、書く内容や順番などが変わってきます。ダイエットしたい20代女性に対して、筋肉隆々の写真をページの上の方に示してもすぐ離脱されてしまうかもしれませんしね。足が速くなるための筋肉のつけ方は、50代男性には興味がないかもしれません。

網羅性

記事は検索意図に対する網羅性があった方が上位に表示されやすいです。
網羅性を持つ記事というのは、ターゲットキーワードに関連するニーズについて、本記事で紹介したような方法で調べ、それらも含めたものとなります。潜在ニーズに対しても網羅している方が望ましいです。つまり、そのユーザーが検索したときに意図していたことに対する答えだけでなく、潜在的に、それに関連して気になっていた内容がそこに示されていると望ましいということです。

網羅性があると記事は長くなりがちですが、その意味では、記事は長い方が有利です。長ければいいというものではありませんが、検索意図をつかんだ内容で、ユーザーにとって意味がある内容であれば、長いに越したことはないとまで言えます(極端に長いと表示スピードの問題も生じそうですが)。

その人にとって見る必要のない箇所は飛ばしながら読むでしょうし、そのためにも記事に目次をつけることは推奨します。

独自性

先述した重複コンテンツを避けたとしても、本記事で紹介したような方法をとると、どうしても他の記事に似てはしまいます。実際のところ、検索して上位に表示されているページは似たような内容が多いので、ある程度は似ていても問題ないとも言えます。Googleは各サイト同じ評価基準で評価しているのですから、似た記事が上位に表示されるのは当然と言えば当然です。
しかしながら、Googleは日本語検索の品質向上に向けてという記事で独自性を重視するとも明言しています。

2022年8月18日、さらに独自性を重視したアルゴリズムアップデートを発表しました。2022年8月22日から、まずは英語サイトでアップデートが行われる予定です。

似ているだけで終わり、では検索順位が上がらない可能性が高いです。必ず独自性、オリジナリティーを含めるようにしましょう。

例えば、

  • 自分の意見や考察を書く
  • 自分の体験談を書く
  • 他が参照してないような参照先を示す

などです。

この記事を例として挙げれば、顕在ニーズと潜在ニーズの話は一般的な話であり、他のページで触れられていても、ここで触れないわけにもいかないのですが、せめて潜在ニーズの具体例は他の記事と異なる内容にします。極力自分で考え、自分の独自性ある内容を表現するようにしましょう。

当サイトで評価が高く閲覧数が多い記事の例としては、HTML関連の技術的な話である「アクセシビリティとaria-label、SEOとの関係について書いた記事」があります。アクセシビリティは少なくとも日本では専門家と呼べる人が少なく、他の人では語れない内容が多く含まれています。

わたしはアクセシビリティの専門家でもあります。なので、私が作るサイトはコンテンツ以前の、ベースがまたSEOに強くなります。

UX(ユーザーエクスペリエンス)を向上させる

全く同じ文章があったとしても、レイアウト、行間、改行の仕方、文字サイズや色使いによって見やすさ、読みやすさは変わります。

図や写真も適切に、イメージが付きやすいように入れつつ、かつ主に視覚障がい者などが用いるスクリーンリーダーのユーザーを考慮して図や写真だけで説明されている部分がないようにするということも大事です。

これらのことも検索意図に応えるという文脈においては重要ですし、実践することで、離脱率は下がります。正しい(標準仕様に基づいた)HTMLの記述、スクリーンリーダー対応は、より内容が正確にGoogleに伝わりやすくなるという効果もありますので、SEO対策に繋がります。

まとめ

検索意図をつかんで上位を狙うための方法をご紹介しましたが、せっかく品質の高いコンテンツでも、その内容が正しくGoogleに伝わらないベースの作りだと台無しだったりします。文字通り、「台がしっかりしてない」から「台無し」です。「台無し」のケースはどういったケースが多いか、なども記事書いてますので、よろしければいくつか読んでいってください。SEOの基本についても書いています。

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BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月にBringFlowerを開業し、SEOコンサル、デザイン、ウェブ制作を一手に受ける。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。
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