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サブドメインとサブディレクトリの違いと使い分け、ルートドメインも含めてSEO対策の観点で解説!

ホームページを公開するのに必要なドメイン。まず名前を決めなければなりませんが、SEO対策の考慮事項のひとつとして、将来的な計画も踏まえて、それぞれのサイトをどういう構成にするかがとても重要だというのをご存じでしょうか?

いくつもサイトを作ってしまって、あとになって一つにすべきとなるケースはよくある話です。そうならないように、どうするべきなのかを知っておきましょう。

この記事では、複数のサイトの制作を検討する際、あるいは将来的にそうなる可能性がある場合に、サブドメイン、サブディレクトリ、独自ドメイン(ルートドメイン)という3つの選択肢があるということと、どういうケースでどれを選択するのが良いのかについてご紹介します。

ドメインとは?

ドメインというのは、ホームページの住所のようなもので、ドメイン名が決まるとIPアドレスというものが決まります。

例えば次のURLがあったとすると、

https://www.example.com/

一般的には「example.com」をドメインと呼びます。
ただし、後述するサブドメインとの違いがややこしいので、サブドメインとの違いを明確にするために「example.com」をルートドメインまたは独自ドメインと呼ぶこともあります。

このあとご説明していきますが、「https://www.example.com/」というURLはwwwというホスト名と、example.comというルートドメインから成るwww.example.comというのサブドメインが使われている形となります。

ドメインは基本的に有料ですが、レンタルサーバーを契約するとひとつ無料で入手できたりもします。
ドメインには、すでに使われている名称は使うことができません。

サブドメインとは?

一般的にレンタルサーバーでは、ひとつドメインを入手すると、そのドメインに対するサブドメインと呼ばれるものを無料でいくつも作ることができます。

ルートドメインが他と同じになることはないので、ホスト名は自由に付けることができます。

例えば

https://www.example.com/

の中の、「www」の部分をホスト名と呼び、これを以下のように自由にいくつでも付けることができるということです。

https://aaa.example.com/
https://bbb.example.com/
https://ccc.example.com/

「www」というのは、World Wide Webの略で、ウェブの仕組みの名称からきているのですが、別に「www」じゃなければならない、ということは全くないのです。単に、一般化しているだけです。

ルートドメイン(独自ドメイン)とは?

先に少し触れた通りですが、「ルートドメイン」と呼ばれる部分は、

https://www.example.com/

というURLがあった場合の「example.com」の部分のことを指すのが一般化していて、「ドメイン」と先ほど表現した部分と同じです。「独自ドメイン」と呼ばれることもあります。

「ルートドメイン」も「独自ドメイン」も、実は本来の意味はドメインとは異なります。

例えばドメインを取得すると「example@google.com」のようなフリーメールではなく、「example@abc.com」のように独自のドメインを使ったメールアドレスを作れるため、独自ドメインというのはそういう意味合いが本来のところです。

ドメインは本当は「example.com.」のように最後にドットがつくものであり、ルートドメインというのはその最後の「.」の部分を指す技術的な意味が本来です。

しかしながら便宜上、サブドメインとドメインの違いを明確にするために、ルートドメインという言葉が使われるのが一般化しているため、この記事では以下、ドメインのことをルートドメインと呼びます。

ネイキッドドメイン

本題からはそれるのですが、大事な話なのでご紹介します。ホスト名を付けない状態のURL、例えば次のようなURLをネイキッドドメインと呼びます。

https://example.com/

URLが短くなってすっきりするため、最近この形を取られるケースが多いのですがあまり推奨はされません。サイトの速度を早くすることを目的としたCDNと呼ばれるサービスなど、一部サービスにおいてネイキッドドメインでは利用できないというケースがあるためです。

無難に、何かホスト名を与えておくことを推奨します。

個人的には、本体サイトは「www.」にしておいて、他に派生するサイトができた時には、そのサイトの内容を表す名称をホスト名につける、という風にすることをおすすめします。「www.」を別の名称にしても全く問題ないのですが、他のサイトがない状態だと特に、どういう名称にするか迷うことになると思いますし、コーポレートサイトの場合だと「www.」にするのが一般的でもあるからです。

サブディレクトリとは?

サブディレクトリというのは、ドメインに存在するディレクトリのことです。

https://www.example.com/articles/

例えばこのURLの場合、www.example.comというサブドメインのarticlesというサブディレクトリに位置します。

ウェブサイトはドメイン配下にフォルダが階層構造になって作られ、各フォルダの中にファイルが作られることによって構成されています。基本的には、そのフォルダがディレクトリとなります。フォルダやファイルの構成とURLの構成を異なるように調整することも可能なので、フォルダ構成とディクトリ構成は必ずしも一致しないのですが、概念的にはそういうことなのでお伝えしました。

ドメインの設計に関わること

サイトで「あるテーマ」の塊を作ろうと思った時に、その塊をサブディレクトリで分けるか、サブドメインで分けるか、はたまたルートドメインで分けるか、という3つの選択肢があるということがお分かりいただけたかと思います。

その選択肢を考える作業はSEO対策においてとても重要な意味を持ちますので、どう考え、どう分けるべきかご紹介していきます。

ドメインパワーについて

ドメインパワーという言葉が使われることがあります。全く同じ記事を書いたとしても、公開されるドメインによって検索順位は変わってきます。よりドメインパワーがあるサイトの方が上位に上がりやすく、この差のことをドメインパワーという言葉でSEO業界では表現されています。

ドメインパワーについて詳細は次の記事を参照ください。
ドメインパワーとは?SEOとの関係について

ルートドメインが異なる場合、それぞれに独立してドメインパワーを築き上げていかなければなりませんが、サブドメインの場合、お互いにドメインパワーを享受し合います。

ただし、どの程度享受するかというところは分かっていません。感覚で語るしかないところで、2割くらいだと言っている人を見たこともありますし、SEOツール「hrefs」ではルートドメインとサブドメインは同じドメインパワーとして見ているようです。

このあたりはGoogleも試行錯誤している可能性がありますし、正確には分かりません。

その前提で述べますが、私の感覚的には「hrefs」の考え方がある意味正解に近いかもしれないと思っています。つまり、サブドメイン同士はドメインパワーとしては同じということです。
ただしこの後述べる通り、サイトによってGoogleに評価されるテーマが異なるので、そのサイトによって上位に上がりやすいテーマが異なります。

新規に作られたサブドメインの場合、ドメインパワーはルートドメインのパワーと同じなので、ある程度上位に上がりやすい状態ですが、そもそも、そのサイトがどういうテーマのサイトなのかはGoogleがその後評価していくので、Googleがそこを見出すのにはある程度時間がかかります。

仮に同じ記事をルートドメインのサイトにあげた場合と、サブドメインのサイトにあげた場合、ドメインパワーが同じだから掲載される順位も同じになるかと言うと、そうはなりません。ルートドメインのサイトとサブドメインのサイトで評価されるテーマが異なり、記事とサイトのテーマの関連性によって順位が変わります。ドメインパワーだけでは決まらないということです。

なお、全く同じ記事を複数のサイトにあげると重複コンテンツとなりSEOに悪影響なので、実際に試してみることはできませんし、試さないようにしてください。

サイトのテーマを決めることが大事

Googleは、サイトごとに、そのサイトがどういうテーマを扱っているかを評価しているということをご説明しました。

そのため、ドメインパワーを強くするためには、ある程度そのサイトのテーマを絞って、専門性が認められるようなコンテンツをたくさん作り上げていくことが大事となります。

サイトの中にテーマがたくさん存在すると、そのサイトを何で評価すればよいのかGoogleが分からなくなるというようなことが発生します。評価が各テーマに分散するのです。

サブディレクトリ、サブドメイン、ルートドメインのどれで分けていくかは、基本的にはこのことを考えて決めていくべきです。

被リンクの影響について

被リンクというのは、外部のサイトから張られているリンクのことを指します。良質なリンクはサイトの評価を高めます。

良質なリンクというのは、権威性があるサイトや、サイトと関連性が高いサイトからのリンクであり、自然な形で参照されているものを指します。

被リンクをランキングシステムの要素としてGoogleが扱っているということは、Googleも認めていて明らかなことなのですが、サブドメインのサイトへの被リンクがルートドメインのサイトへの被リンクにどの程度影響を与えるかという議論は活発ではありません。調べてみると、関係ないという風に述べていると記事と、関係あると述べている記事の両方が見つかります。

明確にされてないので、断言することはできないですが、私は、サブドメインの被リンクはルートドメインに影響を与えると考えています。

ただし、その被リンクと各サイトとの関連性で決まると考えています。直接そのサイトにリンクが張られているケースでも、リンクとそのサイトの関連性によって評価が変わるように、サブドメインに張られているリンクも、ルートドメインと関連性が高ければ、ルートドメインの評価にも良い影響があるということです。

サイトの分け方

それでは、具体的にどういう風にサイトを分けるのがよいのか、ケースごとにご紹介します。

サイトを分けない方が良いケース

例えば、美容室が店舗を拡大するのに、ドメインを分けて店舗ごとにサイトを作るというのはもったいないです。テーマが同じなので、同じドメインの中でサブディレクトリを使ってコンテンツを増やす、という方がそのテーマにおけるドメインパワーが強くなる方向に動きます。

店舗名で検索したときにドメインを分けた方が上位に表示されやすいのでは?という質問をいただいたことがありますが、ちゃんとそのページを、その店舗名で上位に上がるように意識して作ればよい話です。

もちろん、BringFlowerのようにそのノウハウを持ってないとダメですが、ドメインを分ければなおのこと高いノウハウが求められます。

ドメインを分けた場合、気を付けなければ既存のサイトに対して重複コンテンツとしてGoogleに扱われてまったく検索に引っかからない状態になるリスクもあります。

店舗を拡大したのでページを増やしたいというような相談をウェブ制作会社にしたとき、ウェブ制作会社はどのように考えると思いますか?

まず、多くのウェブ制作会社はSEOのことについて詳しくないのが実態です。なので、SEOのことは何も考えず、受注のしやすさや、受注額の大きさのことだけを考えて提案をするウェブ制作会社が多いので注意が必要です。

すでにあるサイトが別の業者によるものだったとした場合、そこにページを足すにはそのサイトの作りを理解しなければいけません。そのサイトのサーバーを業者が契約している場合、サーバーを共有してもらうのに、色々と面倒があります。

以上のことから、サイトを別で作りましょう、という提案をされるケースを実際に多く見ますが、SEOの観点からも、コストの観点からも、デメリットしかありません。

また、このようなことがあるので、レンタルサーバーは自社で契約することを推奨します。運用費に含むということを言ってレンタルサーバーを制作会社側で契約したがるケースが多いようですが、それも運用費を取りやすくするため、解約しづらくするための手段として、そうしている会社が多いと思われます。

ただし、それぞれの店舗で地域性が強く、その地域独自の内容が多く存在するのであれば、そういう考えのもとサイトを分けるという判断もないわけではありません。

サイトを分けた方が良いケース

例えば、美容室とネイルサロンの両方の事業をやるとした場合は、テーマが異なるので、二つとも同じドメイン内でコンテンツを作るよりも、ドメインを分けた方がSEO的には有利です。

同じサイトの中で異なるテーマが存在すると、先述の通り評価が分散します。

サイトを分けるかどうかの判断が難しいケース

サイトを分けるかどうかの判断が難しいケースというのも存在します。例えば不動産会社で、賃貸と売買の両方を扱っている場合に、賃貸サイトと売買サイトを分けるかどうかというのが例です。

やや投げやりな言い方をすれば、このように判断が難しいケースは、SEOのことに配慮して構造を設計すればどちらでも良いと私は考えています。

同じサイトの中でサブディレクトリで分ける場合は、次のようにきちんとディレクトリごとに分けられるように気をつけるというのが大事です。

https://www.example.com/rent/xxx/
https://www.example.com/sale/xxx/

また、このディレクトリ構造のこと以上にリンク構造に配慮する必要があります。関連するコンテンツ同士でのリンクがきちんと張り巡らされる状態というのを作ります。

サイトを分ける場合、同一サイトでパワーを高めるというメリットは享受できなくなりますが、賃貸とと売買、という風にテーマが異なるので、重複コンテンツとしてGoogleに扱われるリスクは気にしなくて良いでしょうし、賃貸と売買、それぞれにユーザーにとって役立つコンテンツを増やしていけばそれぞれのサイトが高い評価を受けることになります。

サイトを分けなくてもそうなると思うので、どちらが良いということはないと考える次第です。

ルートドメイン、サブドメイン、サブディレクトリ、それぞれのメリット

ルートドメイン、サブドメイン、サブディレクトリ、それぞれのメリットを表にまとめると以下の通りとなります。

メリットルートドメインサブドメインサブディレクトリ
サイトごとに特定のテーマでGoogleの評価を受けやすくなる(評価が分散しない)×
そのサイトのテーマと方向性が同じであれば問題ないが、異なるテーマだと評価が分散するリスクがある
ルートドメインの影響を受ける×
別のルートドメインにすれば影響を受けられない

サブディレクトリほどではないが、ルートドメインの評価の影響を受ける
サイト同士でのリンクで被リンク効果が生まれる(※1)
ルートドメインで分けた場合、サイド同士のリンクに被リンク効果が生まれる。
×
サブドメインからの被リンクは被リンク効果がない
×
WordPressなどのCMSを用いる場合に、サイトごとに管理者を分けることができる×
ドメインの追加費用がかからない×
サーバーを分けて負荷分散できる(※2)
サブドメインでも別のレンタルサーバーを使うことはできますが、少々面倒な手続きが必要になります。
×
ブランドを分けられる×

※1 ルートドメインで分けた場合の被リンク効果については、あるにはあるものの、被リンクの評価の重み付けは以前と比べて小さくなっています。また、被リンクによって評価を高めるには、数多くの自然なリンクが必要であり、このメリットを取ってルートドメインで分けることは推奨しません。

※2 サーバーの負荷を気にする必要があるのはよほどの同時アクセス数がある場合です。レンタルサーバーの性能にもよりますが、エックスサーバーであれば同時アクセス数500人程度は耐えられるという報告があります。

ルートドメイン、サブドメイン、サブディレクトリ、それぞれのデメメリット

ルートドメイン、サブドメイン、サブディレクトリ、それぞれのデメリットを表にまとめると以下の通りとなります。

デメメリットルートドメインサブドメインサブディレクトリ
テーマが異なる場合に評価が分散してしまう×
全体としてのパワーを高められ ない×
ルートドメインで分ければそれぞれ単独のサイトとしてGoogleにみなされる

サブドメインはルートドメインと同一の事業者とみなされ、それぞれに影響を与えるがサブディレクトリほどではない

同一ドメイン内でユーザーにとって価値の高いコンテンツが多いほどドメインパワーは高まる
WordPressなどのCMSを用いる場合に、同一の管理画面を使うことができるか××
ドメインの追加費用がかかる×
ブランドを共通化できない×

悪い事例

同一の事業で、複数のサイトで上位を獲得しようとするのはNG

例えば割と大手の不動産会社で、不動産業というくくりでは同じなのに多くのルートドメインを設けていくつもサイトを作ってしまっているようなケースがあります。

最悪、それぞれに同じ物件を広告表示していたりします。そうなると重複コンテンツというSEO上のマイナス面も生まれます。

同じような物件が表示されるサイトが上位に独占されると、ユーザーの利便性が下がるので、そうならないように、Googleは重複しているサイトは評価を極端に落とすということをします。

ドメインパワーを借りてサブディレクトリで別の事業者がサイトを運用するのはNG

ドメインパワーが強いサイトのドメインパワーを借りて、サブディレクトリで別の事業者がサイトを作るという手法がここ近年流行っていました。しかしもうすぐに過去形になるでしょう。

まずそもそも、ここまででご説明したようにそのサイトのテーマと全く異なるのであれば効果はそれほど期待できません。ただ、やはりドメインパワーが強大であればある程度上位に表示されやすいというのはありました。

しかし2022年8月から行われているヘルプフルコンテンツアップデートや、継続的に行われているコアアルゴリズムアップデートにより、そのような寄生サイトは順位を下げる傾向が続いています。

Googleの評価軸である、そのサイト所有者の専門性と、そもそも所有者が誰であるか不明である場合の信頼性に関する評価において下げられているものと思われます。

サイト貸しは、評価が分散するなどしてそのサイト全体の評価が下げられるリスクがありますので、行わないようにした方がよいでしょう。

サブドメイン、サブディレクトリ、ルートドメインの使い分けの良い事例

サブドメイン、サブディレクトリ、ルートドメインの使い分けに関する実例を挙げます。

サブディレクトリで分けられている事例

不動産分野において強いSEOパワーを持つSUUMOは以下のようにサブディレクトリでサイトを分けています。SUUMOほどのサイトになると同時アクセス数も相当だと思われますが、それに耐えられるサーバーを用意しているのでしょう。

賃貸 https://suumo.jp/chintai/
マンション購入 https://suumo.jp/ms/
戸建購入 https://suumo.jp/ikkodate/
注文住宅 https://suumo.jp/chumon/
土地 https://suumo.jp/tochi/
リフォーム https://suumo.jp/remodel/
売却査定 https://suumo.jp/baikyaku/
記事 https://suumo.jp/journal/

これらはテーマが異なると言えば異なるので、ルートドメインやサブドメインで分ける選択肢も考え得るのですが、SUUMOの場合、記事をそれぞれのテーマごとに設けるのではなく、

https://suumo.jp/journal/

というサブディレクトリで書いています。例えば地域情報など、戸建にもマンションでも共通する記事があるので、その記事のSEO評価がどのテーマにも良い影響を与えるように、サイトを分けないという判断をしているかもしれません。

いずれにせよ、「賃貸」「マンション購入」など、これらはいずれも「不動産」という領域を出ないテーマであるからこそ、同じサイトでサブディレクトリで分けるという選択をとることで、サイト全体の「不動産」というテーマにおける評価が高くなっているという事例です。

サブドメインで分けられている事例

株式会社カカクコムのコーポレートサイトは、価格.comのドメインと同じドメインが用いられていて、サブドメインとなっています。

この場合、テーマの相違性だけで考えればルートドメインで分けても良いと思いますが、価格.comのドメインパワーの良い影響をサブドメインは受けますので、このようにサブドメインにしておくことがベストと言えます。

価格.com https://kakaku.com/
コーポレートサイト https://corporate.kakaku.com/

次はHOT PEPPER(ホットペッパー)の事例を見てみます。

HOT PEPPERグルメ https://www.hotpepper.jp/
HOT PEPPERビューティー https://beauty.hotpepper.jp/

ホットペッパーはグルメとビューティーでサイトが分かれています。これだけ分野が違うので同じドメインの中でサブディレクトリで分けるという選択肢は考えない方が良いです。
サブドメインで分けるか、ルートドメインで分けるかの選択肢になってきます。ホットペッパーの場合、HOT PEPPERという共通のブランドを使っているわけなので、ブランディングの観点からもサブドメインを用いるのが自然と言えます。サブドメインであれば、ルートドメインの良い評価を受けることも可能です。

さらにもう一つ、興味深い事例をご紹介すると、先ほどサブディレクトリで分けている事例として示したSUUMOの中でも、学生向けの物件だけがまとめられたSUUMO学生版というサイトがあり、それについてはサブドメインで分けられています。

賃貸(一般) https://suumo.jp/chintai/
学生版 https://gakusei.suumo.jp/

ただ、学生向けの記事は次のURLのように本体サイトのサブディレクトリなんですよね・・。

https://suumo.jp/article/oyakudachi/oyaku/chintai/fr_single/fr_gakusei_01/

学生向けだけはテーマが尖っているというSEOの観点での判断もあり得るかなと思うのですが、ただその場合、学生向けの記事は分けたサブドメイン内で蓄積していくべきではあります。

このあたりは、色々とSEO以外の観点での事情もあるかもしれません。例えば、学生向けは春先にアクセスがあまりにも集中するのでサーバーを分けたとか(知りませんが)。
本来は、サブドメインで分けてもサブディレクトリで分けても、どちらでもよい例であり、ただしサブドメインで分けるならば学生向けの記事はそのサブドメイン内で書いた方が良いはず、と考えます。

ルートドメインで分けられている事例

ルートドメインでサイトを分けるというのは、元々あるサイトの評価を享受できなくなるので、最後の選択肢として考えた方が無難です。

それでは、どういう場合にルートドメインで分けられているでしょうか?

株式会社カカクコムは、価格.com、食べログ、スマイティなどのSEOに強いコンテンツを複数持っており、次のように、それぞれをルートドメインで分けています。

価格.com https://kakaku.com/
食べログ https://tabelog.com/
スマイティ https://sumaity.com/

SUUMOの事例とは違い、事業分野が全く異なりますので、これだけ異なる場合はサブディレクトリで分けるという選択肢はまずありません。
サブドメインで分けるのと、ルートドメインで分けるのと、どちらが良いかというのが選択肢となりますが、これだけ大きなサービスで、これだけテーマが異なればルートドメインで分けるのが一般的です。アクセスも相当あるでしょうから、サーバーごと分けておきたい、というのもあると思われます。

ネーミング、ブランディングの観点もあります。
kakaku.comというドメインのサブドメインで分けるとすると、次のようになってしまいます。ルートドメインで分けるかサブドメインで分けるかは、ネーミング、ブランディングの観点で決まるケースもあると思います。

https://tabelog.kakaku.com/
https://sumaity.kakaku.com/

まとめ

ドメインの作り方によるSEOへの影響が大きいということは、知らない方が多い印象なのですが、後戻りが難しい部分なので、とても重要な話だということがご理解いただけたのではないかと思います。

ドメインの設計の観点から助言ができるのは、優良なSEOコンサル会社に限られると思います。かつウェブ制作も行える会社というのはおそらくほとんどないと思われます。

企業が大きくなって、予算ができたからSEOコンサル会社に依頼をして、ドメイン設計見直しを提言されるというケースが多いと思われます。そうなると、サイトも巨大化しているので、1,000万単位の支出となり得ます。

安心して任せられる、BringFlowerにぜひ制作の段階からご相談ください。

著者のイメージ画像

BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月にBringFlowerを開業し、SEOコンサル、デザイン、ウェブ制作を一手に受ける。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。
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