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ヘルプフルコンテンツアップデートとは?対策方法も解説!

ヘルプフルコンテンツアップデートは、Googleの検索エンジンに関するアルゴリズムアップデートの種類の一つで、人の役に立つ、人のためのオリジナルなコンテンツが上位に表示されやすくなるようにすることを目的としたものです。2022年8月15日にヘルプフルコンテンツアップデートの1回目が行われました。

このアップデートで評価されるコンテンツとは具体的にどういうもので、どういうコンテンツが順位を下げているか、解説いたします。

ヘルプフルコンテンツアップデートとは?

Googleは定期的にコアアルゴリズムアップデートを行っています。ただ、コアアルゴリズムアップデートは具体的な中身についてGoogleからの発表はありません。そのコアアルゴリズムアップデートとは別路線で、パンダアップデートやペンギンアップデートに代表されるような、明確に目的を示したうえでのアルゴリズムのアップデートをGoogleは行ってきています。

ヘルプフルコンテンツアップデートは、そのようなアルゴリズムアップデートの種類の一つで、人の役に立つ、人のためのオリジナルなコンテンツが上位に表示されやすくなるようにすることを目的としたものです。

Googleによるヘルプフルコンテンツアップデートの説明は次のリンク先に書かれています。

Google Search’s helpful content system and your website

このページ、日本からアクセスすると日本語で表示されることがありますが、日本語訳は少し情報が遅れているので右上のプルダウンから英語にして見ることを推奨します。

変更前

ヘルプフルコンテンツアップデートの1回目は2022年8月15日に行われ、その際には次のような説明が書かれていました。

Google Search’s helpful content system generates a signal used by our automated ranking systems to better ensure people see original, helpful content written by people, for people, in search results. 

変更後

この内容が2022年9月15日に実施された際には次のように変更になっています。

Google Search’s helpful content system generates a signal used by our automated ranking systems to better ensure people see original, helpful content created for people in search results. 

変更前は「人により書かれた内容を評価する」となっていたところが、「人のために書かれた内容を評価する」に変更されています。この変更が、日本語だとまだ反映されていなかったりします。

ChatGPTが登場してからしばらく後に、GoogleはChatGPTの対抗馬としてBardを発表し、AIによって生成されたコンテンツでも、人の役に立つものであれば問題はないとの見解を示しました。Google自身、ニュースサイトにAIによる記事制作機能を提案するなど、AIを推進しています。

また、サイトの中に有益ではないコンテンツが多くある場合に、そのサイト全体の評価が下げられます。

サイトの一部を他事業者に貸し、借りた事業者がそのサイトのドメインパワーを利用してコンテンツを上位に表示させるという行為が行われてしまっているため、それに対する言及もGoogleの説明の中でなされています。

ヘルプフルコンテンツアップデートの実施履歴

ヘルプフルコンテンツアップデートはこれまで、以下の通りに実施されてきています。

回数実施日(日本時間)
1回目2022年8月15日
2回目2022年12月5日
3回目2023年9月15日

ヘルプフルコンテンツアップデートの影響を受けた事例

まず、当サイト含む私が関わっているサイトについて言うと、ヘルプフルコンテンツアップデートの影響はこれまで特にありません。順調に伸びているだけです。何故かというと「人のための、有益なコンテンツで上位を目指す」という真っ当なことを行っているからです。より上位に順位を下げるサイトがあれば、それを抜くことはありますが、大きな変動にはなっていません。

以下に、順位を下げたという報告のある事例をパターン別にご紹介します。

ホスト貸しサイト

サイトの一部を借りて特定のディレクトリ配下で特定テーマのコンテンツを構築していくといったことをしているケースで一部順位を下げています。

順位を下げるまでは、そのサイトのドメインパワーを借りて高い順位が獲得できていたのだと思われます。

サイトの所有者と、運営者が異なると判断される場合や、記事の品質が低い場合は、順位が下がる傾向です。また、その場合サイト全体の評価が下がる可能性があり、サイトを貸した側もダメージを受けるリスクがあります。

ただリンクをかき集めただけのようなサイト

スクレイピングなどで、ただリンクをかき集めただけのようなサイトで順位を下げている事例があります。

ヘルプフルコンテンツアップデートの対策

では、ヘルプフルコンテンツアップデートの対策は何をすればよいか、以下に解説致します。

ユーザーにとって有益とは言えないページはnoindexにする

お知らせなど、ユーザーにとって有益とは言えないページを多く公開している場合、noindexにすることが望まれます。この方法はGoogleも以下の通りに推奨しているものです。

If you host third-party content on your main site or in your subdomains, understand that such content may be included in site-wide signals we generate, such as the helpfulness of content. For this reason, if that content is largely independent of the main site’s purpose or produced without close supervision or the involvement of the primary site, we recommend that it should be blocked from being indexed by Google.

Google Search’s helpful content system and your website

サイトの専門性を高める

ホスト貸しの判断方法の一つとして、そのサイトのテーマと異なるテーマの塊というのを見ている可能性が考えられます。これまで以上に、サイトの専門性を見極めるアルゴリズムになっていると思われますので、テーマを絞り、そのテーマにおける専門性を高めていくことが望ましいと言えます。

ユーザーにとって有益なコンテンツ作りに集中し、コンテンツを増やしていく

ブラックハットと呼ばれるSEO対策は、Googleによる対策で駆逐されるので元々コストパフォーマンスが悪いものだったと思っています。

ユーザーの検索意図を考え、その検索意図に応える内容を充実させることに集中しましょう。

オリジナリティを出す

ヘルプフルコンテンツアップデートの説明の中でもGoogleは「オリジナリティ」という言葉を使っています。

検索上位が似たようなコンテンツばかりになってしまうと、Googleで検索するユーザーの満足度が下がります。今後、一般的な内容はAIによる回答結果だけでも満足することになり得ますので、網羅性と共に、今後は「オリジナリティ」が益々重要性を増します。

SEOで重要なオリジナリティー(独自性)/オリジナルコンテンツ

まとめ

まだ、ヘルプフルコンテンツアップデートで順位を下げてもおかしくないようなサイトが上位に表示されているケースはあり、ヘルプフルコンテンツアップデートは今後も続くかもしれません。

ぜひBringFlowerと一緒に、真っ当なSEO対策に集中しましょう。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月にBringFlowerを開業し、SEOコンサル、デザイン、ウェブ制作を一手に受ける。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。
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