SEO

SEO、ブログにおけるターゲットキーワード選定の方法・ステップ

ターゲットを決める。これはSEOに限った話ではなく、そもそも事業を始めるにあたって大事なことですよね。にも関わらず、ターゲットキーワードが意識できていないホームページは非常に多いです。

そもそもターゲットキーワードってなに?という方もいらっしゃるでしょうし、それが分かっていたとしても、どうやって決めればよいのかわからない、という方もいらっしゃるでしょう。
また、頭の中にターゲットキーワードはあっても、どこに反映すればいいの?という方も多いことでしょう。

この記事はこれらの方皆さまご参考にしていただける内容となります。

ターゲットキーワードとは?

検索エンジン(主にGoogle)で、調べたいものを検索して調べることはありますよね?そのとき、上位に表示されたホームページから見ていく方が多いかと思います。

次の表は、seoClarity(SEOクラリティ社)が公開している検索順位別のクリック率です。これによれば、1位に表示されたケースで13.94%、2位は7.52%、10位で1.32%です。

引用:https://www.seoclarity.net/mobile-desktop-ctr-study-11302/

順位アメリカイギリスカナダインド日本
19.13%10.48%11.30%14.88%13.94%
25.07%6.05%5.93%8.22%7.52%
33.60%4.49%4.29%4.79%4.68%
42.61%3.15%3.31%3.10%3.91%
51.95%2.54%2.64%2.09%2.98%
61.46%1.96%1.95%1.52%2.42%
71.10%1.55%1.50%1.10%2.06%
80.93%1.32%1.27%0.95%1.78%
90.75%1.10%1.03%0.77%1.46%
100.66%0.98%0.95%0.70%1.32%
110.63%0.91%0.89%0.57%1.03%
120.58%0.74%0.86%0.50%1.00%
130.43%0.59%0.61%0.36%1.07%
140.44%0.64%0.64%0.41%1.34%
150.45%0.73%0.77%0.45%1.65%
160.53%0.90%0.92%0.63%2.19%
170.60%1.07%1.10%0.83%2.54%
180.75%1.29%1.25%1.14%2.83%
190.88%1.36%1.34%1.27%2.91%
200.93%1.47%1.39%1.34%2.85%

そのため、検索結果の上位に表示されるように対策をするのがSEO対策ですが、どういった検索キーワードで上位に表示するのかを決めなければいけません。それを考えて決めたキーワードがターゲットキーワードです。

キーワード選定の方法・ステップ

ここでは、例として「プレゼンテーションのオンラインセミナーで、1対1で行うもの」というサービスの集客を題材にしてみます。プレゼンは苦手意識を持つ人も多くいらっしゃるでしょうし、1対1で、他の人の目を意識することなくレクチャーしてもらえるセミナーがあれば、興味を持つ人も多いかもしれない、という風に考えたサービスだとします。

ペルソナを設定する

ペルソナがまだ設定されてなければ、ペルソナを考えます。ペルソナというのは、ターゲット像を具体化したものです。詳しくは次の記事を参照ください。

ペルソナとは?ペルソナ設定の時代は終わった?そう思わないようにする作成、設定のコツとSEOとの関係

ペルソナは一人だけ設定するものではなく、必要な数だけ設定します。このケースの場合、例えば以下のようなパターンで設定するなどが考えられます。

  • 社会人になりたて
  • 大勢の人の前でスピーチする必要のあるベテラン社会人
  • プレゼンに苦手意識を持っている人
  • プレゼンは得意だが、さらに磨きをかけたいと思っている人

ChatGPTはペルソナを考えるのが割と得意なので、ChatGPTのアイデアも確認しながら検討するのもおすすめです。

「プレゼンテーションのオンラインセミナーで、1対1で行うものを提供するサービスを行いたいと思います。 ペルソナを作ってください。」と入力するだけで次のようなペルソナを作ってくれます。

ペルソナ名: 佐藤 真理子 (さとう まりこ)

年齢: 32歳

職業: 自営業 (ウェブデザイナー)

背景:

  • 大学でデザインを学ぶ。その後、数年間デザイン関連の会社で働いた後、3年前からフリーランスとして独立。
  • 現在は自宅でのリモートワークがメイン。
  • 最近、新しい技術やビジネスのトレンドに関する情報収集に熱心。

ニーズ:

  • リモートワークの増加に伴い、オンラインでのプレゼンスキルを向上させたい。
  • 一般的なオンラインセミナーよりも、個別の指導を受けたい。
  • 自分の弱点や改善点に的確なフィードバックをもらい、スキルアップしたい。

セミナーサービスに期待すること:

  • フレキシブルなスケジューリング。
  • インタラクティブなフィードバックセッション。
  • プレゼンの資料や動画を事前に提出し、詳細なフィードバックを受け取りたい。

趣味・興味:

  • 写真撮影、特に風景や建築物。
  • 旅行や新しいカフェを探すこと。
  • 最新のデザインツールや技術のトレンドに常に目を向けている。

検索キーワードの洗い出し

ターゲット像のイメージができたら、キーワードの候補を洗い出します。

提供するサービスを探す人がどういう検索キーワードを使うかを考える

とにかくまずは自分で思いつくワードを挙げてみます。上述のケースの場合、どういう検索キーワードで探すでしょうか?

  • プレゼン
  • 伝え方
  • 話し方
  • セミナー
  • 個別指導
  • 個別
  • 1対1
  • 1 on 1

などが考えられます。

自サイトの流入キーワードを参考にする

自サイトがすでにある場合、Googleの検索結果画面に表示されている検索キーワードをGoogleサーチコンソールで調べることができます。検索キーワードのことを、Googleサーチコンソール内ではクエリと表現します。

「検索結果」メニューを選択するとクエリ一覧が表示されます。表示回数順でソートすると、多く検索されているキーワードを知ることができます。デフォルトだとクリック数順に並んでいるので、検索順位が高いものしか表示されません。表示回数順でソートして見ると、新しいターゲットキーワードの発見に繋がることがあります。

競合サイトへの流入キーワードを調べる

サイトの流入キーワードを調べることのできるツールがあります。ただし、そこまでできるものとなるとどれも有料で、国内外で色々とツールはありますが、最も有名でもあり、料金的にもおすすめなのはahrefs(エイチレフス)です。

トラフィックというのがそのサイトへの流入数なので、トラフィックが多い順にソートして見ることで、そのサイトへの流入数が多いキーワードを知ることができます。

関連キーワードを調べる

関連キーワードとその検索ボリューム(どのくらいの回数検索されているか)が調べられるツールがあります。おそらく最も広く使われているのはGoogleのキーワードプランナーだと思われますが、そちらは、Google広告を一定額以上、かつ一定期間以上利用していなければ具体的な検索ボリュームを知ることができないというのがあります。

無料で調べられるツールとしてはruri-coサクラサクラボSEOツールがあります。ここでは、1日に調べることのできる上限数が決まっているものの、入力したキーワードに関連するものも多く提示してくれるサクラサクラボSEOツールを用いた結果の画面をお示ししながらご説明します。

まず、まっさきに思いついた言葉から調べていきます。ここでは「プレゼン」で調べてみます。

「プレゼン」で18,100件、「プレゼン 話し方」で1,600件

そうするとこのように、月間の検索ボリュームが出てきます。入力したキーワードだけでなく、それと関連性が高いワードの結果も同時に示してくれます。検索回数順にソートした状態で、上から眺めていきます。

そのなかで、「なるほど」となるワードが見つかれば、それは狙い目かもしれません。例えばここでは、「自己紹介」や「話し方」といったキーワードです。

そういったキーワードが見つかれば、それ単体でも調べてみます。

「自己紹介」は「面接」「内定式」「インターン」などリクルート関係で調べている人が多いことが読み取れる
「人は話し方が9割」が最も多く、「話し方」「喋り方」「人に好かれる話し方」など

「自己紹介」の方は、「面接」「転職」「新卒」「内定式」「就活」「インターン」など、どれもリクルート関係で気にしている人が多いことが読み取れます。

独立していて転職活動もへったくれもない私の場合、商談の際などの最初の自己紹介というシーンが思い浮かびましたが、少なくともそれがメインではないということですね。掲載している結果の下の方も私は眺めましたが、「面接」が多いです。

一方、「話し方」を気にしているケースは多様で、かつ多く調べられていることが分かります。圧倒的1位の検索キーワードが「人は話し方が9割」。何故だろう?と思ったらGoogleでそのワードで検索してみます。そうすると、そういう書籍があって、2021年の年間総合1位だということが分かります。

その影響なのか?というのが気になります。そういうときは、Googleトレンドが使えます。

次のグラフは、Googleトレンドで、「話し方」の検索ボリュームを調べて、2004年からのスパンでグラフに出したものです。

特に2021年以降で目立った変化がないことが分かります。むしろ、それ以前で時折山がある時に、もっと大きな「話し方」に関するトピックがあったのかもしれません。例えばテレビの影響はやはり大きいですから、人気番組で「話し方」に関する話題が出れば、一時的に検索ボリュームが増えることは考えられます。

つまり「話し方」に関して(おそらくは)良くしたいと思っている人がトレンドに関係なく多いということがわかります。

ここまでで「プレゼン」「話し方」というキーワードが見えてきていますが、これだけだと、まず競合が多いので上位を獲得するのが難しいのと、セミナーを受講したいというモチベーションがある人は割合として少ないということが考えられます。

そのため、組み合わせて検索されているキーワードを探ります。これは、「プレゼン」と「話し方」それぞれ、まず検索ボリュームがもっと小さいところまで見ていくのですが、それだけだと見つからない場合があるので、これも思いつく組み合わせのキーワードで検索してみます。次の結果は「プレゼン セミナー」「話し方 セミナー」で調べたものです。

プレゼンは「研修」を探している人が多く、「話し方」は「講座」を探している人が多いということが読み取れます。「研修」も「講座」も意味は近いですが、微妙に想像するものが違いますよね。

あとは、「オンライン」というのも気にした方がよいキーワードだと言えます。「1対1」というのは、調べても見つかりませんでした。なのでこの場合、メインのターゲットワードにするよりは、サイト流入後に説明してアピールするという使い方にするのが良いと言えます。

多くの場合にターゲットキーワードに含まれる「地域名」
今回ご紹介するケースはオンラインの講座なので、地域名がターゲットキーワードになりづらいですね。あえてそういうケースを例として選びました。というのは、足を運ぶ必要のあるサービスの場合、ほとんどが「地域名」がターゲットキーワードのひとつになります。
例えばネイルサロンであれば、「吉祥寺 ネイルサロン」などがターゲットキーワードになってきます。
そういったサービスの場合、トップページのメインビジュアルで、どこにある店舗なのか、が伝わるようになっていることも重要です。 ご紹介しているオンラインセミナーのケースも、直接会ってセミナーを受けたいしたい、という人が出てくるかもしれませんし、地域名も入れておいた方がベターとも考えます。

キーワードをグルーピングする

検索意図が似たキーワードをグルーピングします。

例えば「話し方 講座 無料」と「話し方 セミナー 無料」は検索意図が同じですよね?そのように検索意図が似たものをグルーピングして、グループごとの検索ボリュームの合計で検索ボリュームを把握します。

キーワードを絞り込み優先順位を付ける

候補の検索キーワードを見繕ったら、以下の観点で、対策を打っていく優先順位を決めます。

検索ボリュームの多さ

検索ボリュームが多いということは、検索上位に表示されたときの流入数は多く稼げることに繋がりますので、この観点はもちろん重要です。

初心者の方でもこの観点は抜けずらいと思いますが、検索ボリュームの多さだけで決めるのは間違いです。

購入意欲、コンバージョン率

例えば「話し方 講座 無料」は、無料の話し方講座を探しているのは明白です。無料の体験セミナーを用意する考えであれば、このキーワードは是非とも狙いたいキーワードになりますし、無料の体験セミナーを用意しないのであれば、仮に「無料」という言葉で誘い込んだとしても、コンバージョン率は低くなるでしょう。

「話し方」の場合は、講座、セミナーを探しているわけではない人も多くいることが想定されます。

このように、コンバージョンへの繋がりやすさという観点は重要です。

競合の強さ

競合の強さを確認します。確認する方法は、そのキーワードで実際に検索をしてみることです。例えば「話し方 オンラインセミナー」というキーワードを狙いたいと考えたとすれば、「話し方 オンラインセミナー」で検索してみます。

検索した結果、上位10位以内に入っているサイトの強さを見ます。

hrefsなど、ドメインパワーを調べる方法があるので、それでドメインパワーを調べて、上位に表示されているサイトが全てドメインパワーが大きいサイトの場合は、強いドメインパワーを持ってないと難しいキーワードであると言えます。

また、記事で上位を狙う場合は、記事ページが上位にあるかどうかを見ます。記事ページがあれば、記事ページでも上位が狙えますし、記事ページがない場合は、サイト全体の中身で勝負をしていく必要のあるキーワードであると言えます。

これら以外にも見るポイントはあり、詳しくは次の記事でご紹介しています。

SEOにおけるキーワード難易度とは?難易度の低いキーワードを調べて上位表示を狙う方法

選定したキーワードをどう反映するか

選定したキーワードは次のように反映していきます。

titleタグとh1タグにキーワードを含める

ターゲットキーワードは、まずtitleタグと呼ばれる部分に含めることが重要です。また、h1タグと呼ばれる部分は基本的にtitleタグと一緒にしますので、そこにもターゲットキーワードを含めます。

titleは、ページに表示される文言ではなく、ブラウザのタブの部分に表示され、また検索結果画面のタイトルにも反映されます。多少、Googleが勝手に省略するなどの変更をすることがあります。

h1は、そのページに表示される文言の中で一番大きな見出しの位置づけのものにつけるのが基本です。

そのため、titleh1は同じ文言を入れるのが推奨です。

類義語についていれるかどうかの判断も重要です。例えば「話し方」と「喋り方」、ほとんど同じ意味ですが、「話し方」の方が多いので、それをメインのターゲットワードにしつつ、「喋り方」で調べる人も意識して、そういった表現も入れておくなど。

このような類義語は、大体似たような結果をGoogleが返すようにはなってますが、多少異なるケースもあるので、両方用いておくに越したことはありません。

例えば「ホームページ制作」と「ホームページ作成」はほとんど似た結果になるのですが、「話し方」と「喋り方」はそれよりも少し検索意図が異なるケースになるようにも思うので、「喋り方」というワードも私なら意識します。以下の記事も参考にしてください。

SEOのために類似語・同義語を併記する効果について

WordPressの場合はプラグインの「SIMPLE SEO PACK」を入れるとtitleの設定が簡単にできます。次の記事でtitleのこと含めて詳しく解説しています。

SEO対策で重要なtitleタグとmeta descriptionとは?WordPressプラグインの「SIMPLE SEO PACK」を使った設定方法も解説

ディスクリプションにキーワードを含める

ディスクリプションの内容は検索順位との関係はありませんが、検索結果画面に表示され、また検索ワードが含まれていると太字で表示されるため、クリック率の向上に寄与します。できるだけディスクリプションの前半部分に入れることが望ましいと言えます。

h1以外の見出しタグにもできるだけキーワードを入れる

h2~h6の見出しタグにも、できるだけキーワードを含めることが望ましいです。ただし、不自然になるくらいなら入れないほうがよいです。

以前はこのあたりの影響は大きかったですが、今はGoogleはそこまで意識することはありません。

本文へのキーワードの入れ方

以前は、本文内のキーワード出現率が高い方が上位に表示されやすいということがありましたが、今はそういうことはありません。むしろ、不自然に多くキーワードが含まれているとスパムと判定されてしまうことがありますので、自然な文章となることに留意することが第一です。

結果的に、自然とキーワードが含まれるはずですが、ほとんどを別の言葉で言い換えてしまっているというようなケースは悪い影響があり得ますので、どのくらいキーワードが含まれているかを意識するということは重要だと言えます。

まとめ

ターゲットキーワードを決めるというのは、非常に重要なステップです。場合によっては、このようなプロセスを経ることで、新たな発見をして、ホームページ以前の事業計画自体が変わることもあるでしょう。

BringFlowerはこのようなプロセスを通してSEOに強いホームページ制作を行い、お客様の事業に貢献することをめざします。

SEO全般に関する記事もぜひご覧ください。

著者のイメージ画像

株式会社BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月にBringFlowerを開業し、SEOコンサル、デザイン、ウェブ制作を一手に受ける。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。
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