2022年11月、OpenAIという企業が、ChatGPTというAIで文章を生成するサービスを開始しました。これの精度が高いということで話題になっています。使ってみたところ、ホントにすごくて記事ライティングにも活用できてしまうと思える内容です。

この記事では、ChatGPTとは何かと、その使い方から、SEO対策に活用できるのかについての考察をご紹介します。

AIでSEO対策はできるのか?ChatGPTの使い方と、AIと検索エンジンについて

ChatGPTとは?

ChatGPTは、簡単に言うと「めちゃくちゃ精度が良いAIチャット」です。開発したOpenAIはイーロン・マスク氏が設立した企業で、Microsoftが巨大な投資をしていることでも知られています。

Google検索に取って代わり得るプラットフォーム候補の一つとしても着目されています。Googleからしてみると脅威とも言えます。

ChatGPTの使用例

2023年1月31日時点使用例

次の画像は「東京でおすすめのSEO対策業者は?」と質問を入力したときの結果です。

テキストでも結果を書くと次の通りです。

おすすめのSEO対策業者は個々のニーズや予算に応じて異なります。ですので、以下の手順を踏むことで、東京で最適なSEO対策業者を選ぶことができます:

  1. 自分のニーズを明確にする: どのような結果を望み、どのような手法が使用されるかを明確にする。
  2. 業者リサーチ: 東京でSEO対策を提供する業者をリストアップし、それらのポートフォリオや評判を確認する。
  3. 適切な業者に問い合わせ: 候補の業者に問い合わせを行い、SEO対策の詳細なプランや料金などを確認する。
  4. 比較・選択: 取得した情報を元に、自分のニーズに最も適切な業者を選択する。

このように、自分のニーズや予算に応じて慎重に選択することで、東京で最適なSEO対策業者を選ぶことができます。

ChatGPT

ちなみに、次の画像はGoogleで同じ文章「東京でおすすめのSEO対策事業者は?」と検索したときの結果です。広告を除き1位から表示しています。

いずれも、具体的な業者名をいくつか載せて紹介しているサイトです。現状のGoogleの検索エンジンにおいては、この手のサイトがどうしても強いです。

確かに検索意図に沿うと言えばそうなのですが、実情として載っている情報がユーザーのためになっているかどうかというと、また別の問題もあります。

すべてのサービスがそうかは知りませんし、もちろんある程度参考になるとは思いますが、この手のサービスは、掲載するのに広告料を支払う仕組みになっているものが多いです。

つまり、リスティング広告に掲載されるのも、リスティング広告以外の上位ページに掲載されるのも、いずれも広告費が物を言う世界になってしまっている現状が少なくとも一部にはある、ということです。

なお、私はこの手のサービスを否定しているわけではありませんので悪しからずお願いします。私も費用対効果があると思えば、費用を支払って掲載してもらう可能性はあります。

話を戻して、この「東京でおすすめのSEO対策業者は?」という検索(質問)に対するChatGPTの回答と、Googleの回答は明らかに違いがあり、そして、どちらが利便性が高いかはいったんおいておくとして、どちらが正確で、ユーザーのためになっているかと言うと、私はChatGPTなのではないかと思えるほどです。あくまで主観です。

もっと言えば、「東京でおすすめのSEO対策事業者は?」の質問に対する一番正しい答えは「安い、早い、質が高い」が理由で「BringFlower」なので、どちらも正確ではないですけどね。あくまで私の主観です!

2023年2月3日再試行、追記内容

この記事を書いた3日後、同様の質問「東京でおすすめのSEO対策業者は?」をしてみた結果が次の通りでだいぶ回答が変わりました。

私には東京で特定のおすすめのSEO対策業者の情報はありませんが、オンラインでの検索や口コミの調査、友人や同僚からの紹介などを参考に検討することができます。また、業者によって得意とする業界や手法も異なるため、ご自身のニーズに合った業者を選ぶことが大切です。

ChatGPT

3日前と明確に違う部分として「情報はありません」とAIがおっしゃってます。情報源を聞けるらしいので聞いてみました。

「情報はありません」とおっしゃっていたのに、特定の情報源は明らかにしないものの、オンラインの記事、ブログ、レビューサイトなどが影響を与えているというのは正直に答えてくれました。

ひとつ私が思うのは、3日前の私が書いた記事、それさえもすでに情報源に加えられていて、それがこの回答の変化に影響を与えた可能性を考えたりしています。

そして「BringFlowerってどんな事業者?」と聞いてみました。

なに!?まだ知らないだと!?Googleはめっちゃ把握してるよ。

あ、今時点で「格安でSEO対策とウェブ制作」ってtitleに書いてるのが読者にばれてしまいましたね。先日調べた時は「SEO対策とホームページ制作」って勝手にGoogleが変えてたので、格安じゃないってGoogleに思われてるのね、って思ったんですが。SEO対策込みで高品質なホームページ制作をするのにこの料金なので、それぞれ別の業者に依頼するのと比べればかなりの格安なんですが。

話が脱線しましたが、もう一つ例を示しましょう。
「楽して痩せる方法を知りたい」と質問してみました。

以下は、楽して痩せるためのアイデアです:

  1. 運動: 楽しい運動を探し、定期的に行う。例えば、ダンス、サイクリング、ジョギングなど。
  2. 食生活: 健康的な食生活を楽しむことが重要。新鮮な野菜や果物、タンパク質豊富な食品を含めたバランスの良い食事を心がけましょう。
  3. 友達と一緒に: 友達や家族と一緒に運動や食生活の改善に取り組むと楽しくなります。
  4. 新しいスポーツ: 新しいスポーツやフィットネスクラスに参加してみましょう。新しい体験に挑戦することで楽しさもあります。
  5. 日常生活の中でのエクササイズ: 日常生活の中でも適度なエクササイズを取り入れることが大切。例えば、歩いているときには手を振ったり、仕事中には立ち上がって身体を動かすなど。

このように、楽しくて適度な運動や健康的な食生活を心がけることで痩せることができます。

ChatGPT

同じくGoogleに同じ質問をしてみました。

ChatGPTとGoogle検索エンジンの違い

Googleの方はほとんどはウェブページを示すのみであまりGoogleによる解釈が示されてない(※)のに対して、ChatGPTは、ウェブ上の様々な情報源をもとに分析した結果を返しています。なので、「間違った結果を返さない」というポリシーが感じられます。その分、抽象的にはなる感じがしますね。

※Googleも、上述で少し具体例を示したように、タイトル(title)をサイト制作者が設定した文言とは変えるなどをすることがあります。

Googleも、E-E-A-Tなどの評価軸を使って信頼性の高い記事を上位に表示させようとはしていますが、本当に正しいかどうかの検証まではしてないと思われます。例えばソースコードを紹介している技術系の記事で、バグがある記事でも上位に表示されているケースがありますが、ChatGPTで技術を調べると次のように表示してくれます。これはおそらくバグは含まないようにしているでしょう。

情報源を聞いてみました。

先ほどの「おすすめのSEO対策業者」の情報源では、ブログが含まれてましたが、明確に「ブログ」が含まれていません。なので、バグを含まないように意識した結果を返している、ということが読み取れますね。

また、GoogleはすでにBringFlowerのことを把握してくれてますが、ChatGPTにはどうやらデータがまだないらしいので、情報源の多さではGoogleに現時点軍配が上がるでしょう。

Googleが発表した対抗馬「Bard」

2023年2月7日に、Googleが明らかにChatGPTを意識した動きをしました。似たような技術を「Bard」という名前で発表しました。

参考:https://www.itmedia.co.jp/news/articles/2302/07/news081.html

元々開発していたものではあると思いますが、まだ発表する段階にないものを慌てて発表した感じがしますよね。しかしここから予定よりスピードアップさせる方向に動くのも確かでしょう。

ChatGPT発表時には、Google社内で緊急事態宣言が出された、という話もあります。

ChatGPTの使い方

ChatGPTの始め方

次のリンク先にアクセスして、TRY CHATGPTのリンクを押します。
https://chat.openai.com/

「Sign Up」を押します。

この後、メールアドレスとパスワードを入力すると、認証のメールが届くので、そのメールのリンクを押してくださいというメッセージが表示されます。その通りにします。

名前を入力後、電話認証のため電話番号を入力します。+81から始まる番号なので、最初の0は省略する形となります。

少し待つと認証コードが送られます。認証コードを入力すると無事開始となります。

日本語で返事をして欲しいとき

日本語で入力すると自動的に日本語で返すらしいのですが、私が試したときはそうならなかったので、「日本語に変えて」と入力したら日本語に翻訳してくれて、その後は日本語になりました。

ChatGPT(AI)で生成した文章でSEO対策ができるか?

ここまでの内容を見ると、この文章をそのまま記事ライティングに活用できそうな感じがしてしまいます。実際、それをするとどうなるでしょうか?

Googleは2022年4月に行われたカンファレンスで、AIで生成した文章はGoogleのガイドラインに反すると発言していました。その背景として、重複コンテンツに対するGoogleのポリシーがあると考えられます。

しかし、2023年2月8日、GoogleはAI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンスを公開し、その中でAIで生成された文章であるというだけではスパム扱いをしないということを明言しました。

ただし、重複コンテンツとして扱われれば評価が上がりづらいということには留意が必要です。重複コンテンツに対するポリシーの厳しさが増しているのか、精度が高まっているのか、ここ最近のGoogleのアルゴリズムは、よりオリジナリティを重視する傾向が強まっていますので、この手のサービスを活用したコンテンツというのは上位に上がりにくいと考えられます。

実際のところ、そもそもChatGPTによって生成された文章かどうかをGoogleが見破れるかというと、それ自体は難しいでしょう。ChatGPTの生成する文章も刻一刻と変わるでしょうしね。

ただ、重複コンテンツを見破る精度が相当に高まっているのは確かですし、オリジナリティを重視していますので、その意味で、ChatGPTで生成した文章をそのまま掲載しても上位に上がりづらいだろうと思います。

ただ、ライティングを行う際のヒントを得たり、観点の抜け漏れチェックをするには有効に使えるように思います。

SEO対策のためのツールは様々あり、共起語を調べることができるものなどありますが、その一種として捉えることはできると言えます。

AIとSEOについて

Googleの検索エンジンにもRankBrainと名付けられているAIが活用されています。AIによって、AIかどうかを判断するということになっていくのでしょう。

「人間 対 AI」ではなく、「AI 対 AI」の世界に突入ですね。

著者のイメージ画像

BringFlower
稲田 高洋(Takahiro Inada)

2003年から大手総合電機メーカーでUXデザインプロセスの研究、実践。UXデザイン専門家の育成プログラム開発。SEOにおいても重要なW3Cが定めるWeb標準仕様策定にウェブアクセシビリティの専門家として関わる。2010~2018年に人間中心設計専門家を保有、数年間ウェブアクセシビリティ基盤委員も務める。その後、不動産会社向けにSaaSを提供する企業の事業開発部で複数サービスを企画、ローンチ。CMSを提供し1000以上のサイトを分析。顧客サポート、サイト運営にも関わる。
2022年3月にBringFlowerを開業し、SEOコンサル、デザイン、ウェブ制作を一手に受ける。グッドデザイン賞4件、ドイツユニバーサルデザイン賞2件、米国IDEA賞1件の受賞歴あり。