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【2023年11月更新】Googleの検索品質評価ガイドラインとは?最新版の更新内容についても解説
検索品質評価ガイドラインとは、Googleが検索結果に表示されるページの品質を評価するために設けているガイドラインで、Googleはこれを「General Guidelines」と題しています。
このガイドラインには、Googleがランキングシステムのアップデートを行っていくうえで目指すことが示されているわけであり、検索エンジンの精度が高くなった現在においては少なくとも、SEO対策をする上で最も理解しておくべきものです。
では、具体的にどのようなことが書かれていて、それらはどのように検索結果に反映されているか、具体的に解説していきます。
検索品質評価ガイドラインとは?
検索品質評価ガイドラインとは、Googleが検索結果に表示されるページの品質を評価するために設けているガイドラインで、Googleはこれを「General Guidelines」と題しています。
英文で168ページに渡る内容となっています。元々は、このガイドラインはGoogle内部向けに限定された資料で、外部には公表されてませんでした。このガイドラインは、Googleの検索結果画面に表示されるページの品質を、”人”が評価するうえでの基準を示しているものです。
よって、Googleが、Googleの外部の人に評価してもらうのに用いられていました。結果、何度かリークされてしまったという経緯があります。そうなるともはや公表状態。だったらちゃんと最新の状態を公表した方が良いという考えに至ったのか、現在においてはGoogleは公表するようになっている次第です。
検索品質評価ガイドラインの目的
普通、資料というのは目的から書かれますが、この資料(ガイドライン)を読むと目的の詳細は省かれていることが分かります。書かれているのは、「検索品質の評価員としてこのガイドラインを用いて評価する」ということだけです。その評価員は何を目的に評価するかは書かれていません。
ただ、もちろんそれは書かれるまでもなく、検索結果の品質をGoogleが向上させるのが目的です。恐らくは、基本的には内部資料の位置づけであるため、自明の目的は省いているだけでしょう。
次のGoogleの記事で検索品質評価ガイドラインの使い方について言及がされています。
How insights from people around the world make Google Search better
次の文章はその抜粋です。
But notions of relevance and trustworthiness are ultimately human judgments, so to measure whether our systems are in fact understanding these correctly, we need to gather insights from people.
日本語訳すると、次のような意味です。
関連性や信頼性というのは結局のところ人間の判断に基づくものです。そのため、システムがこれらを正しく理解しているかどうかを測定するためには、人々からの洞察を集める必要があります。
GoogleはGoogleの検索エンジンを多くのユーザーに用いてもらうことによって広告収入を得ています。Googleの検索結果を見て検索意図が満たされないようでは、ユーザーはGoogleから離れていってしまいます。
例えば私は、とある検索エンジンで「Googleアナリティクス」と検索した時、そのブラウザの主と競合関係にあるからでしょう、Googleアナリティクスを上位に表示させないという結果を見て、二度とその検索エンジンを使わないと決めました。
Googleは、競合だからといって検索結果に表示しないなどということをすれば悪い結果になることが分かっているので、そのようなことはしません。検索意図を分析し、検索意図を満たすことに集中しているのです。
Googleのポリシーの先頭に次の言葉があります。
ユーザーに焦点を絞れば、他のものはみな後からついてくる。
Google が掲げる 10 の事実
検索品質評価ガイドラインは何を定めているか?
検索品質評価ガイドラインは、以下の3つのパートから成っています。
- Part1:ページの品質についての定義(Page Quality Rating Guideline)
- Part2:検索意図の理解(Understanding Search User Needs)
- Part3:検索意図に対する合致度の定義(Needs Met Rating Guideline)
検索結果にユーザーの検索意図に合致した品質の高いページを表示するため、かみ砕けば次のように考えているわけです。
- そもそもページの品質ってなに?
- そもそも検索意図はどうやって理解する?
- 検索意図が分かったところで、どうやってそれに合致していると判断できる?
検索品質評価ガイドラインによる評価方法
Googleは、例えば数百の検索クエリのサンプルを作成し、評価者のグループに、それらの検索クエリと、検索結果ページを 2 種類示します。1つは実際のGoogleのその時点での検索結果画面で、もう1つは改善を検討している検索結果画面です。
評価者は、示された全てのページについて、検索品質評価ガイドラインに基づき、検索クエリと照らし合わせながら評価します。検索クエリの検索意図に関する評価者自身の理解に基づいて、それらのページが検索意図を満たしているかどうかを評価し、検索クエリのトピックに関してその情報源がどれほど権威的で信頼できるかなどを考慮します。E-E-A-Tを評価するために、評価者は情報源に関する評判の調査を行うよう求められます。
具体的には、示された検索クエリが「キャロット ケーキのレシピ」であるとします。示される検索結果ページには、レシピサイト、食品雑誌、食品メーカー、および場合によってはブログの記事が含まれる場合があります。それらのページが検索意図を満たしているかどうかを判断するために、評価者は、調理手順がどれだけ理解しやすいか、レシピが視覚的な説明や画像に関してどれだけ役立つか、サイトにショッピングなどの他の便利な機能があるかどうかを確認します。
著者が主題に関する専門知識を持っているかどうかを把握するために、評価者はオンライン調査を行って、著者が料理に関する資格を持っているかどうか、他の職に関するサイトで紹介または参照されているかどうか、または肯定的なレビューや評価を獲得した他の優れたコンテンツを制作しているかを確認します。
参照元:
How insights from people around the world make Google Search better
Googleは評価結果をどうアルゴリズムに反映しているか?
Googleが検索結果の品質を高めるために、ガイドラインを設けて評価をしていることはお分かりいただけたでしょうか?
2022年には、894,660件の検索品質評価テストを実施し、上述のような比較テストは148,038件実施しています。そして4,725件の変更がありました。
では、検索品質評価ガイドラインに基づいたテスト結果を用いて、Googleはどのようにして検索結果の品質を高めているのでしょうか?
Googleは、検索品質評価ガイドラインに基づいた評価結果を直接ランキングに使用はしてないと明言していますが、その意味は、評価結果を受けて評価されたページのランキングを直接操作することはしていないという意味であって、影響を与えないというわけではありません。
Googleの検索アルゴリズムにおいて、ランキングを決める要素として使われているものは200以上と言われており、複雑に機能しています。
Googleは検索エンジンのアルゴリズムに、2015年にはRankBrainを、2019年にはBERTを導入しています。これらはGoogle独自のAIシステムであり、機械学習を用いたアルゴリズムです。
AIに対してインプットするものは人が決めますが、それをどう用いるかはAIが決めます。つまり、200以上の要素がどのように機能するか決めているのは、Googleの中にいる“人”ではなく、“AI”であるとも言えるでしょう。
機械学習というのは、インプットとゴールを人により与えます。例えば将棋のAIプログラムであれば、数多くのこれまでの将棋の結果をインプットし、「王将」を取ったら勝ち、というゴールを与え、そのためのプロセスをAIが導き出しています。
GoogleはAIに対して与えるゴールとして、検索品質評価ガイドラインの結果を与えているのではないかと私は考えています。検索結果が品質が高いかどうか、決めるのはユーザーであり、“人”です。“人”による評価結果が高くなるようにするにはどうすればよいか、“AI”は大量のインプットデータを踏まえて答えを導き出していることでしょう。
昔は、Googleの検索エンジンも今ほどには精度が高くありませんでした。キーワードレベルで検索意図を捉えるしかなかったので、SEO対策をするにはキーワード出現率を高めるなどという小手先のテクニックを用いるしかなかったのです。だからこそ、外部からの評価の指標として被リンクの重要性も非常に高かったです。
しかし今は違います。検索エンジンの精度が高いので、SEO対策において最も意識すべきはこの「検索品質評価ガイドライン」であり、もとい、ユーザーにとってそのページ、そのサイトは役に立つのか?検索意図に合致するのか?ということを主に考えればよくなっています。
ただし、titleタグの使い方だけは小手先感が今でも拭えず、Googleにとってもおそらく課題として残っている部分であろうということは述べておきます。
検索品質評価ガイドラインの更新履歴
検索品質評価ガイドラインについて、ここ最近の更新履歴は以下の通りです。
日付 | 主な更新内容 |
---|---|
2022年12月15日 | E-A-T(専門性、権威性、信頼性)と呼んでいたものを、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)に変更。 |
2023年11月16日 | Needs Metの説明内容の記述と、評価例の更新。 |
2022年12月15日の変更は割と大きな内容で話題になりました。ページの品質を決める要素の一つとして、それまでE-A-T(専門性、権威性、信頼性)と呼んでいたものについて、E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)に変更し、「信頼性」を評価する指標として明確に「経験」を加えたのです。例えば、商品レビューをする記事の内容について、使用した経験のない人が書いたものと、使用した経験がある人が書いた記事、どちらを信頼できますか?というのが例です。
2023年11月16日の変更は、Needs Metのパートにおける表現の更新とサンプルの最新化で、特に新たな考え方がそこにあるという感じではありません。ただし、Fully Metと呼んでいる、最も検索意図に合致している段階というのを、「明確に検索意図がある検索クエリの場合」に限定して考えるようになった、という違いは感じられます。
例えば、「このあたりで美味しいラーメンが食べたい」という検索クエリであればFully Metに値するページは存在するが、「何か美味しいものが食べたい」という検索クエリは、検索意図が曖昧なのでFully Metに値するページは存在しない、という考え方でしょう。
つまり、「何か美味しいものが食べたい」という曖昧な検索クエリに対する100点はない、という考え方だと言えばよいでしょうか?
勝手に美味しいものを食べてろよと(は誰も言ってない)。
検索品質評価ガイドラインの要点
先述の通り、検索品質評価ガイドラインは以下3つのパートに分かれていますが、もう少し具体的に中身の要点をご紹介したいと思います。
- Part1:ページの品質についての定義(Page Quality Rating Guideline)
- Part2:検索意図の理解(Understanding Search User Needs)
- Part3:検索意図に対する合致度の定義(Needs Met Rating Guideline)
YMYL
YMYLは、Your Money Your Lifeの頭文字で、ガイドラインの中で実際に使われている言葉です。人の人生、生活に関わるようなことに関しては特に、情報の正確性に留意しなければならないということが書かれています。
日本ではWELQというサイトが以前、医療関連で間違った情報を発信して問題になり、医療・健康アップデートと呼ばれるGoogleアルゴリズムアップデートの最初のターゲットになったのが日本だったという話があります。それ以来、お医者さんが自ら書いた記事など、信頼性が確認できる内容でなければ上位に表示されないようになりました。
YMYL領域に対するGoogleのアルゴリズムアップデートは現在も力が入れられており、2023年に頻繁に行われたアップデートにおいてもYMYL領域のサイトが特に変動が大きいです。
特に医療・健康関連は、何の資格も持たない個人が記事で上位を獲得することに勝機を見出すのはリスクが大きすぎるので、やめておいた方が良いです。
例えば化粧品会社のサイトでは多くのSEO記事がありますが、記事には監修者を入れてその旨を明記するということをしています。
E-E-A-T(経験、専門性、権威性、信頼性)
2022年に更新されたため先ほどもご紹介しましたが、E-E-A-Tというのは品質評価ガイドラインで示されている大きな評価軸の一つです。
ここでGoogleが評価したいのは、要するに「信頼性」であって、その「信頼性」を評価する指標として「経験」「専門性」「権威性」があるという関係です。
UX(ユーザーエクスペリエンス)
検索品質評価ガイドラインの中には、「user experience」という言葉が各所に用いられています。ユーザーが目的を達成するために必要な操作、閲覧を妨げるようなことがあれば望ましくありません。例えば広告がユーザーの目的達成の邪魔をしすぎているとか、ページの表示スピードが遅すぎるとか、目的のメニューが探しにくいといったことです。
検索意図
検索意図とは、ユーザーが検索エンジンで検索したときに達成したいと思っていることを指します。Googleの検索エンジンを用いるユーザーの目的を達成できるページが上位に表示されることがGoogleにとっても大事なので、検索意図の定義に多くのページを割いて説明がされています。
オリジナリティー
検索品質評価ガイドラインの中で「Originality」という言葉が使われています。日本では「オリジナルコンテンツ」という言い方もされています。
Googleの検索品質評価ガイドラインの中では「Originality」の説明として、「コンテンツがどの程度ユニークで、オリジナルなコンテンツを提供しているか」と書かれています。「ユニーク」と「オリジナル」はどちらも似たような意味で使われますが、以下のように若干違うニュアンスがあるので、Googleはあえて併用していると考えられます。
- 「ユニーク」というのは、「他にはないもの」という意味合いが強い
- 「オリジナル」というのは、「元になるもの、最初に発信されたもの」という意味合いが強い
検索品質評価ガイドラインを踏まえたSEO対策のポイント3つ
では、検索品質評価ガイドラインを読み解くと見えてくるやるべきことについて、主なポイントを3つ解説します。
検索意図を調べ、考え、満たすこと
SEOのプロではない人はそもそもターゲットキーワードが考えにないケースが多いのですが、ターゲットキーワードを考えたうえで、その検索意図を満たす内容を考える、というプロセスが非常に重要となります。
信頼できるサイト、執筆者となること
どんなに検索意図を満たしているように見えても、真っ赤なウソではユーザーにとって有害になり得るので、信頼性もGoogleは評価しています。そのため、現在においては身元を明かしていないサイトというのはまず上位に上がりません。また、身元がしっかりしているほど強いというのはあるので、ここ近年、企業サイトが強い側面は否めません。
ただし、単純に企業でなければ勝てないかと言うと、そんなことはありません。その証拠の一つとして、本サイトは株式会社BringFlowerとして法人化する以前より上位に表示されていました。
サイトの所有者だけでなく、執筆者が誰であるかも明確にすることが望まれます。
権威性などない、と最初から嘆くのではなく、しっかりとしたコンテンツを積み上げていけば、それは権威性を高め、Googleからの信頼を勝ち取る結果に繋がります。
オリジナリティー(独自性)を見せること
検索結果の上位に同じような内容ばかりが並べば、ユーザーは1位のページしか見る気が無くなります。いくつか見ても同じ内容だと、徒労に終わります。
そのような検索結果画面は品質が高いとは言えないので、Googleは検索結果に多様性を求め、コンテンツにはオリジナリティーを求めています。
1位の記事を真似ただけのような記事は、そもそも著作権の問題もありますし、重複コンテンツばかりだとそのサイトはGoogleからペナルティを与えられるリスクもあります。
生成AIの台頭により、一般的なことであれば生成AIに聞いた方が早い、と感じる人も出てくる可能性があり、GoogleもSGEと称した機能を試験中ですので、従来の検索結果のランキングにはより、オリジナリティーが重視されることも予想されます。
検索品質評価ガイドラインを意識することのデメリット
検索品質評価ガイドラインは、SEOのプロを語るのであれば必ず熟読すべきものと言えますが、一方で、そうではない人が自サイトのSEO対策をするのに熟読すべきかと言うと、それは違うとは思います。
SEOの専任者を持たないような企業あるいは個人事業主の場合、このガイドラインを読んでまで対応を考えている時間があるならばとにかくユーザーの役に立つと思うコンテンツをサイト内に充実させることに集中するのが良い結果を生むコツです。
Googleの検索結果画面で上位を獲得したい(SEO対策したい)と考え、サイト制作やコンサルにお金をかけ、コンテンツの積み上げは自分でやる、という状況で、結局ほとんどコンテンツを書かずに終わるパターンは残念ながらあります。
あれこれ考えることに時間をかけて終わるのであれば、とにかくキーボードを叩いてコンテンツを書く、ということが大事です。
BringRiteraなど、AIも積極的に活用を考えましょう。ファクトチェックをし、オリジナリティーを加えれば、0から書くよりも品質高いコンテンツを生み、良い結果を出せる可能性が高まります。
まとめ
このブログ書き続けてもうすぐ200記事、そういえば「検索品質評価ガイドライン」をタイトルにした記事を書いてなかったと気づいた次第です。
灯台下暗し。
まさに、検索品質評価ガイドラインは「灯台下」と言えるかもしれません。SEO担当者は必ず熟読しましょう。SEOコンサル会社入社1年目なら「まずこれちゃんと読め」と言われるやつですね、きっと。